ある日の出会い⑧
「……知っていたんですね」
「でも、あたしだけだから安心して頂戴。 あたしはあの予知夢を見てから転生者探しを秘密裏にしてたからわかったのよ、いつアヤミちゃんに声をかけようかと考えて様子を窺っていたからね~」
それはそれでちょっと怖い気がするのは私の気のせいだろうか……。
でも、レイファの身分が保証されるのは全然嬉しいかも。
騎士団の人が身元保証人になってくれるならレイファも自由に外を歩き回れるしね。
「はい、レイファも転生者でスチュアートさんと同じで後から記憶が戻った系なんです……だから、身元の保証がされるのは安心です」
「アヤミちゃんとの会話から転生者なのはわかっていたわ。 能力は本人と会った時に聞くとして人柄も知りたいから一度アヤミちゃんのお店に行こうかしら」
うん、いくら私がスチュアートさんを信用したからって他の人の能力まで言ってしまうのはいけないことだからね。
そこはレイファの判断に任せよう、多分レイファも簡単に言っちゃうと思うんだけど。
「是非来てください。 お店に入るのがあれなら家に招待しますから」
「それは嬉しいわ~、私の普段のキャラ的にお店には中々入りずらいのよね。 たまーに家族が買ってくるケーキ食べるんだけど、それが美味しくて美味しくて」
両手を頬に手を当てて話してるスチュアートさんは別の意味で目に毒だけどそれは失礼過ぎるから口には出さない。
……いきなり家にスチュアートさんが来たらみんなビックリするだろうからそこは帰ったらちゃんと話しておこう、スチュアートさんが来る前にはコーネリアちゃんにも説明出来たらいいな。
「それはよかったです。 来る日が決まったらお好きなお菓子をお茶受けとして作っておきますよ?」
「あら~、アヤミちゃん、そんなにお姉さんを喜ばしても何にもならないわ。 因みに私はフルーツたっぷりのタルトが好きよ」
凄く嬉しそうなスチュアートさんは素直に答えてる。
フルーツたっぷりのタルトか……日本の果物で作るのもありだけど、こっちの果物も中々美味しいのはあるんだよねー……。
試しに何回か作ってみて上手く出来たら新商品として売り出してもいいかもしれない。
もし、こっちの果物で作れたならお客さんから料理教室みたいなのを開いて欲しいって言われてたから一度開催してみるものありかも。
ご近所さんとの付き合いはほどほどにやってた方がいいからね。
「わかりました」
「ふふ、楽しみね。 ……ああ、もうこんな時間、女子会は時間が過ぎるのも早くて困るわ」
「お話していると時間はすぐに過ぎて行きますからね」