クロスの気持ち、私の気持ち⑨
「私は何もありませんよ。 今はまだアヤミさんのお手伝いをしながら勉強する方が大事ですからね」
にっこりと微笑んでるコーネリアちゃんは本当に立派だと思う。
まだ学園に通っている身であるのに色々考えてるし、自分のことは二の次三の次って感じだよね。
まだまだ子供なんだからのんびりしていればいいのに。
「コーネリアちゃんも何かあったら私に相談していいからね? ……まあ、役に立てるかどうかはわからないけど……」
「いえ、アヤミさんに聞いて頂けるだけで嬉しいです」
……本当にコーネリアちゃんは良い子だねー。
何で私の周りには良い子ばかり集まってくるんだろう?……いや、良い子ばかりなのはありがたいことなんだけどね。
あんまり関わり合いになりたくない人はスルーしたいし。
「コーネリアちゃんが良い子だから心配になってくるよ」
「私は純粋なアヤミさんが心配ですけど?」
「いや、それはない」
別に私は純粋でもなんでもないんだけど……。
クロスもそうだけど、アルフもコーネリアちゃんもリーフィも何故か私を持ち上げるんだよね。
そんなに持ち上げられるような人間じゃないのにさ、……好かれてるのはもちろん嬉しいんだけど。
「アヤミさんは謙虚ですからね」
にこにこしてるけど、コーネリアちゃん……私は別に謙虚ってわけじゃないからね?
……私への好感度が高すぎて本当にびっくりしちゃうよ……。
「よし、ホットケーキは出来たっと!」
コーネリアちゃんと話してる間にレイファとアルフのホットケーキも焼けたのでハチミツとバターも乗せる。
レイファもアルフもハチミツが大好きなんだけど、あまりかけすぎたら虫歯になっちゃうからそれはもちろん気をつけている。
この世界には歯医者なんて居ないから無理矢理抜いてるみたいだし……麻酔もかけずに無理矢理とか本当に怖すぎるからね。
レイファも虫歯になるのが怖かったみたいなので虫歯にならないように出来る限りの予防はしてたみたい。
「では、持っていきましょうか。 きっとレイファ様もアルフくんも待ちくたびれてると思いますよ」
「そうだよね、ちょっと時間がかかちゃったからね」
色々な話をしていたら遅くなってしまったからね。
まあ、少しは食べてきたみたいだからそんなにはお腹は空いてないとは思うけど。
「私はミルクを持って行きますね」
「うん、ありがとう」
飲み物はコーネリアちゃんが持ってきてくれるようなのでお任せして、私とコーネリアちゃんはホットケーキと飲み物を持ってレイファとアルフが待ってるリビングへと向かった。
クロスはギルドに行ったみたいなので次に会った時にはしっかり話をしようかな。