クロスの気持ち、私の気持ち⑥
「だって、未成年と付き合うなんて……」
「リストル様は後二年で成人となります、ならば問題ないのでは？」
あ、この世界の成人は１８歳なんだっけ。
私の感覚からしたら１８歳ってまだ高校卒業したての子供って感じだから考えてなかったけど。
「年齢も５歳離れてるよ？」
「私の両親は１０歳離れております」
え？ コーネリアちゃんのお父さんって若そうに見えたんだけど実際は何歳なわけ？
コーネリアちゃんが１６歳で、コーネリアちゃんのお母さんがコーネリアちゃんを産んだのが成人の１８歳と仮定すれば今は３４歳くらい？
それより、１０歳年上だとすると……４４歳か４５歳くらい！？ あの顔で！？
……若々し過ぎでしょ。
「でも、私はクロスを弟のように見てて……」
「そこです」
「え、どこ？」
コーネリアちゃんが何に引っ掛かっているのか私にはわからない。
私とクロスくらいの年齢差なら弟のように思ってても不思議じゃないだろうに。
「アヤミさんに自覚がないのが問題なんです！」
「自覚って……」
「私から見たらアヤミさんもリストル様のことを好いていらっしゃるように見えますよ」
え、だからそれは弟としてってことじゃ……なさそうだよね、コーネリアちゃんの様子からして……どうしてそんな勘違いをしてるんだろう？
「そんなことは」
「だって、リストル様だけ態度が違いますもの」
……そうなの？
私的にはクロスもレイファも同じように接してるつもりでいるんだけど……。
「そんなつもりはないんだけどな」
「アヤミさんはレイファ様のことをどう思われておりますか？」
レイファ？……コーネリアちゃんが何を言いたいのかはわからないからわかる為には答えた方がいいよね。
「レイファも弟みたいだね、手のかかる弟。 間違いは犯したけど、本来は素直で優しい子。 ちょっと喧嘩っ早いとこもあるけどね」
初対面の時は本当にどうしようもない駄目皇子だって思ったけどね。
女好きで世間のことなんて何にも考えてない馬鹿皇子、王国に亡命しなかったら絶対殺されてた気がするよ。
今でも帝国では指名手配されてるみたいだけど。
「アルフくんは？」
「アルフは超良い子！ 初めて会った時から素直で大人しくて我儘なんて一切聞いたこともない。 良い子過ぎてちょっと心配になっちゃうとこはあるけど、そんなとこも可愛いよ。 戦争が終わったら学園に行って同い年の子と仲良くなってもらいたいな」
まだ１０歳なんだからどんどん我儘言ってくれていいのに全然言わないからね。
今接してるのが年上ばかりってのも原因かもしれないから学園に入学させることは考えてる。
