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戦争の予感④

 



「実は俺、その噂を聞いた後に帝国に行ったんですよ、食材を求めて。 その時に実は皇子たちは病死ではなく城に押し入った盗賊によって殺されたんだって話を聞いたんです」



「もしかして……その盗賊が?」



「……はい、似顔絵付きで貼ってました。 警備隊の屯所だけでしたが」




つまり、第三皇子とは発表せずに”盗賊”として似顔絵が出されたんだね。

だからこそ、その似顔絵を見た相田さんがレイファを見て驚いてしまったと……。




「あー、まじかー」



「相田さん、私たちが相田さんに帝国に送って頂いた日あったじゃないですか? その次の日に私たちは第三皇子であるレイファに出会ったんです」




広まっているのが帝国内で収まるんならまだ何とかなりそうな気はする。

相田さんのように転移でも使えなければそんなすぐにレイファが盗賊なんて嘘は王国では広まらないし、戦争が始まりそうなら帝国からわざわざ王国に来る人は居ないと思う。


私は相田さんにレイファと出会ってからのこと、レイファが転生者だったこと等を全て話した。

……後は相田さんがどう判断するのかは相田さん次第。


私たちが信じられないなら警備隊への通報もありえる。




「……ファレスさんに出会ってから転生者によく出会うようにりましたね。 今までは一度も会ったことがありませんでしたのに……」



「相田さん?」



「心配しなくても誰にも言いませんよ。 俺はファレスさんを信用してますからね」




ちょっと落ち込んだ様子の相田さんだったけど、小さな笑みを浮かべて私たちを見ている。

……信用されてるのはありがたい……だけど、そこまで信用されるようなことをしていないからどうしてかはわからない。




「俺がアヤミさんを騙してるとか思わないのかよ。 俺とアンタは初対面だけど?」



「レイファ」




レイファはそんな相田さんを疑って居るのか目を離さずにじっと見てる。

口調が前に戻ってきてるけど、私たちに気を使っていつもはきちんと敬語を使おうとしているのかも。

……使えてるかは別だけどね。




「君を信用してるなんて俺は言ってないよ。 むしろ、夢だと勘違いして好き勝手してた第三皇子だったならあんまり好きにはなれないな」



「奇遇だな、俺もアンタみたいなの好きじゃねえわ」




バチバチと一発触発の雰囲気になってしまったけど、初対面なのに何でこんなに仲が悪くなってしまったんだろうか?




「でも、ファレスさんのことは信用してるから」



「俺もアヤミさんを信用してるからこんな胡散臭い男と知り合いでも問題はねえ」




……喧嘩しながらでも何でそこに落ち着くのかわからない。

だって、私は私がやりたいことをやって色んな人に迷惑をかけてるだけなのに。



 

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