妨害の行方⑮
当たり前だよね、コーネリアちゃんの何の得にもならないし。
むしろ、愛人を連れての結婚だなんてどんな罰ゲームって思うよね。
この世界では一夫多妻が認められてるからって好きでもない相手と愛人付きで結婚なんて私だったら絶対に嫌。
「お、お前は俺が好きだからアイリーンに嫉妬して虐めていたんじゃないのか!」
「私がキャンベルさんに嫉妬するわけないではないですか。 ディアス様のことは何とも思ってないのですから、パーティーでも言いましたよ?」
その虐めていたってもの嘘の可能性高いけどね。
何でそんな嘘をついていたのかわからないけど……私と同郷の可能性が出て来てるから、そこに何かあるかもしれない。
「桃……キャンベルさん、でしたよね? 貴方はどう思って居るのですか?」
ついつい桃色の子って言いそうになってしまいそうになったから言い直す。
ここに来てからこの子は全然話してないし、コーネリアちゃんが何もしてないのを知ってるのもこの子だけだ。
「私はリンデルさんに虐められてたの……クロスは信じてくれるよね?」
私が質問をしたのに私の方も信号機くんたちの方も見ずにクロスの方だけを見てる。
パーティーの時もクロスとレイファに執着してたみたいだけど……。
「無理がある話だな。 リンデルがそんなことする必要ないだろう」
「何でよ……レイファのおかしいし……クロスも私に興味ないみたいだし……。 私はクルスよりレイファやクロスが好きだったのよ? ここはレイファが言ってたみたいに本当に私の世界じゃないの? 君恋の世界に来れたと思ったのに……」
はっきりクロスにも拒否されたことでやっと疑問に思ってきたのか瞳が揺れている。
君恋ってのが何かはわからないけど、もしかしたらトリップしたとでも思ったのかな?
似た漫画とかあったのかもしれないね、それならクロスやレイファのことを知っていたのもわかる気はする。
「アイリーン? 俺よりリストルが好きだなんて嘘だろう?」
「むしろ、君恋の中じゃクルスが一番好きじゃなかったわ! クロスは初期から居るけどレイファを出すにはハーレムエンドを目指さなきゃいけないんだもの!」
ああ、やっぱ似た乙女ゲームみたいなのがあったんだね。
ハーレムエンドとか乙女ゲームではありがちだし、現実ではありえないけど。
……ってことは、この子はクロスが帝国出身ってこともレイファが帝国の皇子だってことも知ってるんじゃないの?
それって本当にヤバいんじゃ……いや、この子がそう言ったとしてももう二人の体には帝国の証はないから知らぬ存ぜぬを貫けばいいことだけど……。




