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妨害の行方⑬

 


あー、確かに信号機くんに情報を聞いていたら嘘をつかれるのは当たり前だよね。

だって、水をぶっかけたのは信号機くんたちだし、シスコンを行き過ぎてるお兄さんにそれを素直に言ったらどうなるかなんてわかるだろうし。




「ああ、そうだよ。 コーネリアの婚約者のクルスならコーネリアのことが一番わかると思ってね」



「やっぱりそうでしたの。 私がお兄様に言ってないこともお兄様は知っていましたのでおかしいとは思って居ましたが……」




……コーネリアちゃんのストーカーのように思えるんだけど。

妹が大切で守りたいからって気持ちならまだわかるけど、お兄さんのは何かちょっと違う感じがするんだよね。


よくわからない私の感覚だけどね。




「だが、そのクルスくんが嘘をついていたら?」



「ははっ、何言ってるんだよ、父さん。 クルスが俺に嘘をつくなんて……」



「でも、事実は言ってませんわ。 だって、私を水浸しにしたのはディアス様ですから」




あ、それもはっきり言ってしまうのね。

お兄さんは想像もしていなかったのか目を丸くしている。


信号機くんたちはコーネリアちゃんの言葉に真っ青を通り越して更に白くなってるみたい。

知られたくない人に最悪の形で知られたんだもんね。




「え?」



「同じことを言いましょうか? 私はディアス様たちに虐められていた時にアヤミさんに助けられましたの。 あの時にアヤミさんに助けられなければ私は今ここに居られなかったかもしれませんわ」




コーネリアちゃんは信号機くんたちのせいで他の学園の子にも避けられるようになったみたいだものね。

虐めってのはやってる本人からしたら大したことないって思ってるかもしれないけど、虐められた方は堪ったものじゃない。

コーネリアちゃんが虐められてどう思っていたのかはコーネリアちゃんしかわからない。


……そして、それは私にもわからない。




「毎日毎日水をかけられ、酷い言葉を言われ、私はもうどうでもよくなってました。 家の為に婚約破棄も出来ずただただ耐える毎日。 そんな時です、アヤミさんに出会ったのは……」




コーネリアちゃんは不意に私の方を向いてにっこりと笑う。

その笑顔は今までで見たどの笑顔より一番美しかった。




「アヤミさんに出会えて私の世界は変わりました、お店で働くのも全て初めてのことばかりで新鮮で楽しかったです。 アヤミさんと一緒に暮らして私は決めました、私は婚約破棄がもし出来たら私は私の意思でこれからを生きる、と」



 

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