妨害の行方⑪
お父さんに弁解しようとしてるお兄さんと、お兄さんにもはっきり言うコーネリアちゃん。
今回のことに一番怒ってるのもコーネリアちゃんだし、友好関係に口出されて迷惑を被ってるのもコーネリアちゃんだし。
お兄さんはとりあえずコーネリアちゃんに謝った方がいいと思う。
「コーネリアはわかってないんだよ。 権力に群がる虫は本当に多いんだ、俺はコーネリアが傷つく前に処分しようとしてるだけなんだ」
「あら、お兄様に見る目があるとは思いませんでしたわ。 見る目があるなら私は他の女性とイチャイチャしたあげく学園の行事の時に婚約破棄する方と婚約しませんでしたもの」
お兄さんは自分が間違ってないと自身満々だけど、それをばっさり切るコーネリアちゃん。
まあ、私は逆に貴族には近付きたくないんだけどね。
何か色々面倒が起こりそうだし……。
「それに関しては本当にコーネリアに申し明けないと思ったよ。 まさか、クルスが俺を裏切るなんて思ってなかったからね」
兄妹喧嘩から飛び火してくると思って居なかったのかお兄さんに睨まれた信号機くんは体を震わして下を向いている。
……力関係的にはやっぱりお兄さんのが強いみたいなのに何でコーネリアちゃんをあんな形で婚約破棄したのかわからないね。
コーネリアちゃんも婚約解消したかったみたいだからちゃんとした話し合いで解消したらこんなことも起こらなかっただろうし。
「……で、でも、コーネリアは可愛いアイリーンを虐めてたんですよ!」
「そうです、だから俺たちはアイリーンを守る為に仕方なく」
「え? 何で君たちは俺のコーネリアを呼び捨てにしてるの?」
否定しようとする信号機くんたちを睨みつけてるけど、お兄さんのコーネリアちゃんじゃないからね?
コーネリアちゃんは白けた目でお兄さんを見てるからね?
「”俺の”なんてお兄様に言われたくないですが……。 虐めなんてのも事実無根ですがそこはもうどうでもいいです。 今回はアヤミさんのお店へ対する嫌がらせについて話に来たんですから」
「そうだな、コーネリア嬢のことは後で話してくれや。 今回は喫茶店シフォンに対しての営業妨害をこいつらとリヒトがしたって話だからな」
兄妹喧嘩から色々話が飛びそうだったけど、コーネリアちゃんが話をし始めレファール隊長さんもため息をつきながら話している。
「ああ、聞いたよ。 リヒトはどうしてそんなことしたんだい?」
「俺のコーネリアを守るためだよ、父さん。 くだらない店をやってコーネリアの気を引こうとしてる馬鹿な女が居るから排除しようとしただけさ」
……お兄さんは本当にそれがコーネリアちゃんの為だと思ってるのがちょっと怖いわ。




