妨害の行方⑦
レファール隊長さんに嫌がらせの件をお任せしてから数日が経った。
まだ嫌がらせが続いてはいるけど、警備隊の人が何かしてくれたのかお客さんは戻ってきていた。
今日の営業時間も終わり、みんなでお店の片づけをしていた。
「今日もお疲れ様」
「はい、お疲れ様でした。 こんな風に働くのは初めてですがとても楽しいですね」
にこにこと楽しそうなコーネリアちゃんは初めて会った時よりもイキイキしてるように思える。
貴族のご令嬢であるコーネリアちゃんがこうして働くのはそりゃ初めてだよね。
普通ならこうして働くことなんて絶対にないんだから。
「俺もアヤミと一緒で嬉しい」
クロスは一緒に働いているわけじゃないんだけど……営業時間中は私の邪魔にならないように思ってか店には入って来ないけど営業が終わってからは後片付けを手伝ってくれてる。
その分給料を渡そうとしたんだけど断られちゃった。
その代わりに朝と夜はご飯を作ってあげることになったんだよね。
クロスは料理の腕は壊滅だからいつも外食みたいだから。
「おーい、誰かいるか?」
「はーい」
和気あいあいと片付けをしているとお店の外からレファール隊長さんの声が聞こえてきた。
私は洗い物で手が離せなかったのでアルフがドアを開けてくれる。
「失礼するぞ」
「すみません、わざわざ」
「いや、気にするな。警備隊のもんが迷惑かけたお詫びだからな 」
アルフがレファール隊長さんを椅子に案内してくれた。
流石にアルフには聞かせられない大人の汚い話が出るかもしれないからまたレイファにお願いしよう。
「アルフ、俺と一緒にギルドに行こうぜ」
「え? でも、お片付け終わってないよ?」
「大丈夫よ、もうすぐ終わるからレイファと一緒にいってらっしゃい」
私がレイファにお願いする前に空気を読んだであろうレイファがアルフに声をかけてくれた。
アルフはまだ仕事が終わっていないことを気にしてるみたいだけど、普通の子供より全然働いてくれてるし、多分これからする話は聞かれない方がいいしね。
「うん、レイファ兄ちゃん行こう!」
「行くから引っ張るなよ!」
私が笑みを浮かべながら言うとアルフは嬉しそうな笑みを浮かべ、レイファを引っ張ってお店から出て行った。
お店も人数が増えてアルフもたくさん遊べるようになってよかった。
もちろん、アルフを毎日働かせてたわけじゃないけど、私が遊んであげられることは少なかったし。
……アルフの学園入りも考えておこうかな。
同い年の子と遊ぶ時間もあった方がアルフの成長にも繋がるだろうし、いつもクロスの実力ばかり見てるからそのクロスの強さが基準になってしまってもいけないしね。




