妨害の行方⑤
「クロスはレファール隊長さんとよく会ってたの?」
「……ギルドの依頼をたまに受けるからな」
ソファーに座らしてもらってレファール隊長さんが戻ってくるのを待ってる間にちょっと話をする。
警備隊なのにギルドの依頼とか出すの?
「グェンおじ様はああ見えて薬にも精通してるんです。 警備隊も傷薬とかは経費として用意されるのですがあまり質は良くないようで……だから、グェンおじ様は自費で用意しているのです」
「一応隊長ではあるから薬草なんかも取りに行く時間はないみたいだからな」
へえ、失礼だけど見た目からして勉強とか事務仕事系は苦手かな?とか思ってたけどそうじゃないんだね。
そうだね、人を見た目で判断するんんて失礼だしやっちゃいけないことだった、少し反省しないとなぁ。
「すまない、待たせたな」
「あら、グェンおじ様。 お早いお戻りですね」
「ああ、あいつらがペラペラ白状したからすぐに終わったぜ。 たく、金積まれて引き受けたとか処分物だな」
大きくため息をついたレファール隊長は自分の席に座る。
お金もらったから嫌がらせに参加したってことか……最悪。
「それで誰に頼まれたのかわかりましたのですか?」
「ああ、どうやらコーネリア嬢の元婚約者も中には居たらしいぜ」
コーネリアちゃんの元婚約者って信号機くんだよね?
え? 私って信号機くんに恨まれるようなことをした覚えないんだけど、何かしたかな?
「ディアス様ですか……」
「ああ、こりゃあオルティスたちも大変だな」
「アヤミさんには前に話しましたよね? ディアス様たちのお父様の話を」
えっと、確か最初にコーネリアちゃんの家にお邪魔した時に話してくれたような……。
コーネリアちゃんの元婚約者くんがクルス・ディアスさんで親が騎士団長をしていて、黄色の子が魔法研究所長の子のエドワード・フォスターさん、青い子が大司教さんの子のネルソン・マーティンさん……だったような気がする。
「確かお偉い人の息子さんだったよね?」
「ああ、クルスの親はオルティス、エドワードの親はフィリップ、ネルソンの親はトマス、全員が俺の同級であり、リアスとも同級だ」
「私も皆さまとは面識がありますがとても素晴らしい方々ばかりです」
てことは、お偉いさんの息子が嫌がらせをしたてってこと?
それって場合によっては結構な不祥事になるんじゃ……。
「あー、頭が痛くなるわ。 問題を起こしたのはダチの息子で、被害を受けたのもダチの娘だろ? オルティスたちは問題ねえがリアスにはグチグチ言われるだろうし……」
「警備隊がここまで酷いとは私も想像しておりませんでしたし」




