妨害の行方③
「コ、コーネリアちゃん?」
「何々? そっちの君は俺たちに文句でもあるの?」
「あるわけないよね? この街の平和を守ってる俺たちにさ」
コーネリアちゃんが子供だから侮っているのかにやにやと笑いながらコーネリアちゃんを煽ってる二人の警備の人。
普段はのんびりしてあまり怒らないコーネリアちゃんだからこ怖いってのはあるかもしれない、滅多に怒らない人が怒ると怖いって良く言うからね。
「いえ、私は何も言いません。 私はありのままを父に伝えるだけです」
「はははっ、お父さーんって泣きつくのか? やっぱガキだな」
コーネリアちゃんのお父さんも確かコーネリアちゃんを弱愛してるんだったよね?
信号機くんに婚約破棄された後に家に帰ったら凄い心配されて婚約破棄もすぐに受け入れられたって話だったもんね。
コーネリアちゃんのお父さんは次の日も仕事に行きたくないってごねてたって話だし……。
「パパ怖いよー、ってな!」
「おい、騒がしいぞ」
コーネリアちゃんを宥めながらなんとか帰ろうとすると部屋の奥からゴツイ体の男性が現れた。
身長は2メートルありそうだし、体もプロレスラーの人みたいに筋肉がある……ちょっと制服がきつそうかも。
「レファール隊長、何でもないです!」
「ただの子供の戯言ですよ」
さっきまで笑っていた二人も周りの人もこの男性が現れてから静かになったけど、上司の人かな?
レファール隊長と呼ばれた男性が私たちの方を見ると首を傾げながら近付いてくる。
「コーネリア嬢、久し振りだな。 リアスの奴に伝言頼まずに何か用があったのか?」
「グェンおじ様、お久し振りです。 はい、少し用事があったのですがこちらの方々に馬鹿にされたので帰って父に報告するとこでしたの」
まだ怒った感じのコーネリアちゃんだけど、知り合いだったのかにこにことレファール隊長さんと話し合ってる。
先ほどまで私たちの対応をした二人も、他の警備隊の人も二人の様子を見て真っ青になってきた。
コーネリアちゃんと話していたレファール隊長さんだけど、今度はクロスの存在に気づいたらしい。
「お、黒のじゃねえか。 何だ、コーネリア嬢と黒のは知り合いだったのか」
「……どうも」
「お前は相変わらずの不愛想だな」
クロスもレファール隊長さんと知り合いだったのか小さくため息をつきつつ軽く頭を下げる。
まあ、クロスだったらギルドの依頼とかで警備隊の人と知り合いになっててもおかしくはないのかもしれないけど。
「レ、レファール隊長……このガ……い、いや、この方々とお知り合いなのでしょうか……?」
さっきまで私たちを馬鹿にしてたけど、自分たちの上司と知り合いだったのが衝撃だったのか言葉遣いが丁寧になっている。
まあ、凄い馬鹿にしてたから心配だよね……。




