妨害の行方②
「どうしたの?」
「ああ、誰かがここの悪い噂を流しているようだ」
え? もしかして、ここ最近は常連の方ばかりで新規の方が少ないと思ったのは気のせいじゃなかったのかな……。
最近の嫌がらせといい、その悪い噂といい、本当に誰がしてるの……お店は評判が大事なんだから。
「許せませんわ! 嫌がらせに止まらずありもしない噂を流すなんて!」
私も憤りを感じているけど、それより怒っているのはコーネリアちゃんとクロスだ。
コーネリアちゃんは今にも飛び出しそうになっているくらい怒ってるし、クロスは何も言ってないけど静かに怒っているのがわかる。
レイファなんて二人の勢いに顔が引き攣っているしね。
「ちょっと警備の人には話を通しておこうとは思ってるよ」
「私も行きます! アヤミさん、一人では何があるかあかりません」
「俺も行く」
……確かに犯人の目的がわからない以上、物理的な行動に出るかもしれないからクロスに来てもらえるのはありがたいかな。
コーネリアちゃんは行く気満々だから言ってもついてくるだろうし、クロスが居たら何とかはなるよね。
「じゃあ、俺はアルフと待ってるっすね」
「うん、何があるかあからないし、もし何かあったらあそこに逃げてね」
「了解!」
もしも、のことを考えて作った隠し部屋。
色んなことに詳しいクロスの意見も取り入れて登録した魔力の人しか開けられないように設定をしているから、危ない人が入ってきたりしたらそこに逃げ込むように教えた。
……秘密の部屋ってちょっといいよね。
「さ、行きましょう」
私よりも張り切ってるコーネリアちゃんに苦笑いしてしまうも後のことはレイファに任せて三人で警備隊舎に向かうことにした。
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「え? どうしてですか?」
警備隊舎についた私たちは警備隊の人に今までの嫌がらせのことを説明したが、鼻で笑われあしらわれていた。
「だから、君にも悪いとこがあるんじゃないの? そんなことでここに来られても、ねえ?」
「そうそう、見回りするつもりもないしさっさと帰りなよ」
……確かに証拠も何もない嫌がらせだけど、ここまで話聞いてくれないの?
私たちにさっさと帰ってほしいのか警備隊の人はペチャクチャ話をしてる、他にも数人警備隊の人は居るけど誰も注意しなくて私たちを見てくすくす笑っている。
折角来たのに無駄だったね……。
「クロス、コーネリアちゃん、帰ろうか」
「……ええ、私……警備隊に来たのは初めてですがここまでとは思っていませんでした」
……美少女が真顔になるのってここまで怖いんだね。
真顔でもどこか怒ったようなコーネリアちゃんは小さなため息をついた。




