喫茶店始めました③
「逃げる? ここは私の店ですけど? それに商売の邪魔をしているのは貴方ですよね? 店で大声上げられると邪魔なんです」
まだ納得していないのか私を睨みながらも黙っている。
本当に邪魔なんだけど……。
「くっ……覚えていろ。 証拠を掴んでその子を助け出すからなっ!」
しばらくの睨み合いが続けば転生(?)主人公が折れたのか捨て台詞を吐いて店から出て行ってくれた。
まだ虐待してると思っているのか。
大体何を言われても私はアルフを離す気はないよ。
「アヤ姉?」
ケーキを食べ終わったのか頬に生クリームをつけたまま見上げてくるアルフ。
「何でもないよ」
ハンカチを取り出せばアルフの頬についた生クリームを拭き取る。
魔法の修行はどうやってやろうか…。
知識はあるけどイマイチよく出来ないんだよな。
誰かに習うとか?
でも、こっちに知り合いは居ないし……。
売れ残ったケーキを箱に詰めれば小さな溜め息をつきながらこれからする修行の事を考える。
ギルドに依頼してみような。
きちんとガラスケースも拭き、アルフの食べた後も片付ければ早速行ってみようと笑みを浮かべる。
初めての魔法、お姫様は杖は使ってなかったし他に必要な物はないだろうか。
まあ、よくわかんないからこのままでいいや。
アルフの手を握り店に鍵を掛ければアルフの手を引いてまたギルドにと向かう。
……修行って事は戦闘ギルドだよね。