悪女は婚約破棄をする?④
「そんなに愛されてるなんて羨ましいです」
コーネリアちゃんは本気で言ってるのか少し目をキラキラさせてる。
……そんな無邪気に思われても……何だか私の考えが間違ってるような気にもなってくるよ。
「ただいまー!」
「おかえり」
そうだ、レイファにはギルドにお使いに行ってもらっていたんだった。
私の代わりにギルドに行ってもらうことが増えると思うから今のうちにギルドの職員さんにもレイファのことを覚えてもらっていた方がいいからね。
「あれ? その子って昨日の?」
「そう、コーネリア・リンデルちゃん。 ちょっと訳ありで家にしばらく泊まらせてほしいんだって」
「ふーん、俺は可愛い子が増えるなら大歓迎っすよ」
……偉そうな態度はなくなったけど根本的に女好きのとこは変わらないのね。
ある意味健全ではあるけどもコーネリアちゃんと一緒に暮らしても大丈夫かな?
余所のお嬢さんを預かるんだから万が一がないように気を付けないと。
間違いは絶対ないとは言い切れないし。
クロスだったら心配なかったんだけどね。
「じゃあ、しばらくレイファにはクロスのとこに住む?」
「ええー!! そりゃ、ないっすよー!!」
レイファはクロスが苦手みたいだから二人っきりにさせたことはないからね。
流石にそれはちょっと可哀想かな。
「ふふっ、本当に仲が宜しいんですね」
「一応身内みたいなものかな」
小さく微笑んでるコーネリアちゃんは楽しそうにしてる。
学園では虐められてて仲の良い人が居ないなら少しでも楽しく居てくれた方がいいしね。
「えーと、コーネリアさんだっけ? よろしく!」
「は、はい、よろしくお願いします」
ほんのりと頬を赤らめてレイファを見てるコーネリアちゃん。
うん、可愛いんだけど……もしかして?
チラッとクロスを見るけど、特に何も思ってないのか無表情のままだ。
「どうした?」
「ううん、何でもないよ」
私が見たことに気付いたのかクロスが笑みを浮かべて私を見る。
クロスは私にだけは表情を変えてくるから。
……………まさか、コーネリアちゃんはレイファのこと好きになったのかな?
それはそれで色々と問題があるんだけど……。
まあ、今はまだ私の推測なだけだから気にしなくてもいいか。
先延ばしにしてるだけな気もするけどね!




