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内緒話は密室で⑤

 


「その場には私とアルフの居たから間違いないよ。 帝国紋と奴隷紋を消さなきゃならないから今日と明日と二回にわけなきゃいけないかもしれないけど……」



「二つなら今日で終わるのか?」



「それは問題ないぞ、結構深い傷に入るみたいだから三個目消すのは魔力的にきつい」




レイファはあまり魔力が多くないみたい、だから跡目争いの中でも放置されて遊び惚けていれたみたいだけど。

本格的に皇帝が決まれば後々の問題にならないように始末されただろうってクロスも言ってたしね。




「なら、問題ないぞ」



「そもそも私たちは出身は帝国ではありませんもの。 帝国紋はありませんわ」




え? そうなの?

深く聞いたら闇が深そうだし、二人が話そうと思ってくれたのならその時はしっかり聞こう。


でも、奴隷紋だけなら今日で消せるみたいだしよかった。




「二つなら大丈夫だ」



「じゃあ、まずは俺からやってくれ」




話を聞くだけでは何があるのか不安なのか先にキースが名乗りをあげた。

キースが先にやって大丈夫そうならリーフィにさせようと思っているんだろうね。




「じゃあ、脱いで」



「……わかった」




キースは覚悟を決めた表情で服を脱いだ。

レイファのことを知ってる私は大丈夫どと分かってるけど、リーフィとキースはあの遊び惚けてたレイファしか知らないから不安はあるだろうね。

私も更生しようとしてるレイファじゃなかったらこんなこと頼まないよ。


レイファは昨日クロスにしたようにキースの腰の奴隷紋に指を滑らせる。

集中してるみたいだから誰もが喋らずに見守っていた。




「……」




リーフィは心配そうに見ているから私はリーフィの隣に座りぎゅっと手を握る。

ビックリしたように私を見たのでこくりと頷き笑みを浮かべた、リーフィは泣きそうな表情で私の手を握り返す。


その間にも治療は進んでいたのか奴隷紋をレイファの手で覆うとシューと音と煙が出て、奴隷紋は綺麗サッパリ消えた。




「消えた……?」




話には聞いたけど半信半疑だったのか自身の腰に触れるキース。

リーフィもその様子を見て目を丸くしている。




「嘘……奴隷紋が消えるなんて……」




今、目の前で起きたことだけど、未だに信じられないのかリーフィはふらりと立ち上がると床に膝をつき、ペタペタとキースの腰に触れる。

何度触っても消えたままの奴隷紋にポロポロと涙が零れた。


キースはそんなリーフィの頭を優しく撫でる。




「リーフィ、もう……傷つく必要はないんだ」




よく見るとキースも泣いているのか笑いながらも涙が零れていた。

そんなキースをリーフィが見上げるとそのままキースに抱き着いた。



「お兄ちゃん……!」




リーフィとキースは抱き合ったまま泣いていた。



 

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