ルーヘン村の攻防③
「じゃあ、お願い。 特に問題なくて自然に山から降りてきただけなら行こうか」
山から餌や他の魔物に追い立てられて山から降りてくるなら普通のことだからこの村の人に頑張って貰えればいい。
自分たちで頑張るなりギルドに依頼するなり。
だけど、なんか変な感じがする。
私に戦闘のこととかさっぱり分からないけど、嫌な予感ってか何だか気味が悪いような……。
私自身でもよくわかんないし、何て言えばいいかわからない。
けど、クロスに行ってもらった方が良いようなそんな感じ。
「ああ、わかった」
「母さん、ほとんど寝たきりですが俺の家でゆっくり待ってて下さい」
ぺこりとアルベルト君は頭を下げ、クロスと一緒に山へと駆けて行った。
他の村の方々は壊されたであろう柵を直してるみたいだし、私も早くルルーゼちゃんを安心させないとね。
アルベルト君の家に戻ればアルフがルルーゼちゃんと遊んでくれていたのかにこにことしてるルルーゼちゃんが居て私も安心した。
今日はグレートベアにも襲われる怖い思いをしたんだからもう怖い思いや不安に感じさせたくないから。
私の勝手だけどね。
「ただいま」
「おかえりなさい!」
「アヤ姉、おかえりなさい」
私が声をかけるとにこにこと笑顔になりながらおかえりを言ってくれる可愛い二人。
だけど、帰ってきたのが私だけだったことに不安になったのかルルーゼちゃんの表情が少し曇ってくる。
「お兄ちゃんは?」
「アルベルト君は私達と一緒に居たお兄ちゃんと一緒に見回りに行ったよ。 でも、お兄ちゃん達は強いからすぐに帰ってくるよ」
私の言葉に曇っていた表情からにっこりと笑顔になる。
「うん、お兄ちゃん強いの!」
「じゃあ、帰ってきた時に食べられる様にお菓子作る?」
「うん!」
何かしてた方がルルーゼちゃんも気を紛らわせるだろうし、そろそろ夕方に近いからご飯も作っておこうかな。
勝手に台所を使うわけにはいかないので二人のお母さんに許可をもらった。
ほとんど寝たきりって言ってたし、ついでに栄養のあるお粥でも作ろうかな。
卵は栄養もあるし、あんまりご飯も食べれてないなら少しでも栄養を取って貰った方がね。
ルルーゼちゃんとお話しながらも料理を始めていく。
流石にかまどは使ったことないからやり方わからないし、鞄に入れてた魔石を使ったコンロを使う。
この世界の人も凄いよね。
日本を知ってる私からしたらこのコンロもコンロっぽい物って感じなんだけど、その発想が凄いし。
ただやっぱり値段的には凄い高いけど便利だよね。
魔物から取れる魔石を使うってのは冒険者からしたら魔石が高く売れるからありがたいことだろう。
まあ、魔石によって使う時間に違いがあるみたいだけどね。
創造でコンロ作ってもよかったんだけど、この世界では騒ぎになるだろうからね。
店では使ってるけどお客さんに見えないからよし。
色々考えつつ私はアルフとルルーゼちゃんと団子を作りながらまったりとしていた。