村への襲撃連絡と迎撃準備
リイネスとのデート(?)の翌日。
俺はドアを叩かれる音で目が覚めた。
「朝早くから誰だよ……」
「レン!私よ、リイネスよ!早く村の市場へ来て!」
「リイネス……?」
彼女の慌て様になにか嫌な予感がして支度をして家を出た。
市場は大混乱だった。
男たちは武具を装備して戦場にでも行くようだし、女たちは子どもたちの誘導やなにやらで忙しそうだった。
すぐ近くにいた気さくそうなオッサンに聞いてみた。
「あの、これはいったい?」
「ああ、アンタか。周辺警戒に出てたやつらが青い顔して山賊の大軍が攻めてくるってんでな。その迎撃さ」
「山賊!?」
「ああ、リイネスちゃんはこっち側だが、アンタはどうする?」
「…………俺も男なんで行きます。武器を貸してもらえますか?」
「おう、ちょっとここで待ってな」
オッサンは武器を取ってきてくれた。
小振りのナイフとショートソードらしき剣。
俺は両方借りることにした。
「ありがとうございます、えっと……」
「そういや名乗ってなかったな。カレル・ターナーだ」
「カレルさん、ありがとうございます」
「おう、それでリイネスちゃん護ってやんな!」
カレルさんと別れ見回っていると、ある2人が目に止まった。
(あれはノーム卿の……)
どこかに連絡を取っていて俺には気づいていないようだ。
ただ気がかりなのはボディーガードのくせに肝心のノーム卿がいない。
「なんか……怪しいな」
その場から上手く離れ、リイネスと合流した。
そしてさっきのことを話した。
「ボディーガードが主人から離れていることって普通ないよな?」
「ええ、だからノーム卿がいないのにその2人がいるのはおかしいわ」
「さて、どうするか……」
考えていると騒ぎが村の入口の方向から聞こえてきた。
「もしかしてもう!?」
「急ごう!あと、この件は伏せておく!」
「わかったわ!」
俺とリイネスは急いで騒ぎのする方へ向かった。