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新しい家と自分についての告白

爆発の光が止むとドラゴンの姿は消えていた。

えっと……倒したのか?


「レンさん!」


リーシャが真っ先に駆け寄ってきた。


「リーシャ、ドラゴンはどうなった?」

「たぶん倒したんだと思います。光で確認はできませんでしたけど……」

「まあ、倒したんならいいか。みんな無事か?」


周りを見てみんなの安否を確認する。


「あなたね……周りのことも考えてやりなさいよ……」

「私もなんとか無事です……」


リイネスもルカも無事なようだ。

あとは未来のところに駆け寄る。


「未来、フラン、無事か?」

「うん……だいじょうぶ、だよ……」

「私たちは大丈夫だよ、お兄ちゃん」

「そっか」


未来と会話していると後ろから2つの殺気。


「へえー?『お兄ちゃん』ってその子に呼ばせてるんだ、レンは。へえー?」

「またなんですか?レン様、またなんですか!?」

「人聞きの悪いこと言うな!」


この2人は俺をいったいなんだと思っているのか。


「とりあえずクードでゆっくり話してもらいましょうか」

「そうです!きちんと説明してください!」

「あのな……だから」


言い訳をしようとしたところで未来に抱きつかれた。

あの、未来さん?なにを?


「あんまりお兄ちゃんをいじめないでください!私の大事な人なんですから!」


俺は今日なにを話しても死ぬ。

リイネスとルカの殺気が高まったときそう悟った。

つか、未来。ブラコンだなとは思ってたけど過剰ではないだろうか。


「レン……」

「レン様…………」

「………………はい」

「「ゆっくり聞かせてくれるわよね?(くれますよね?)」」

「………………………はい」


俺は連行されるように、クードへと入っていった。


       ☆


ギルドで緊急依頼の達成手続き。


「はい、お疲れ様でした、レンさん。ギルド長が外で待ってますよ。………………ところでこの大所帯、どうしたんですか?」

「今はなにも聞かないでください……」


ミーナさんに不思議がられながらギルドを出る。

出ると、言われた通りギルド長が待っていた。


「よお、レン。大所帯とは聞いていたが、まさか王女様まで連れてるとはな!こりゃ傑作だ」

「笑わないでください、それどころじゃないんです。ほら、ガルシアさんから預かってきたものです」

「おお、サンキュー。そんじゃ住居に案内するぜ」


俺たちはギルド長についていき、人通りが少ないところの屋敷に案内された。

場所的に明らかにいわく付きの雰囲気。


「あの、ここは?」

「おう、なんか出るとかなんとかの噂で誰もいなくなった屋敷だ。ここを所有してた商人も安値で譲ってくれたしな」


豪快に笑うギルド長。

別に俺は構わないけどさ……


「れれれ、レン?ここはやめましょう?もっといいところがある筈よ」

「そそそ、そうです。もっと明るい人通りのいいところに住みましょう?」


俺を掴んでいる2人の声が震えている。


「だ、そうですけど」

「んー、しかしなぁ、ここ以上に大所帯に適したまともな物件がなくてな。ここは誰もいなくなってそういう噂が流れただけだが、他のところはホントに出たとk」

「「ここにします!」」


なんという手のひら返し。


「じゃ、ここで」

「おう、今日は助かった。ゆっくり休めよ」


ギルド長に鍵を渡され中に入る。

人がいなくなってそんなに経ってないのか、意外と綺麗だった。


「それじゃ、レンとその子のこと聞かせてもらおうかしら」

「そうですね。レン様、聞かせてください」


雰囲気に慣れたのか、さっきまでの2人に戻った。

俺たちはリビングで3つあるソファーにそれぞれ座っている。

俺と未来、リーシャとフラン、リイネスとルカって感じ。

言えること言うしかないか。


「とりあえず未来、自己紹介しろ」

「うん、私は成田未来。お兄ちゃんの婚約者です♪」

「バカ言うな。こいつは俺の実の妹。あと、俺はレン・リターナって名乗ったけど、本当は成田蓮って名前だ。リイネスはだいたい知ってるけどな」


それから俺が知っていることを話した。

ルカたちには俺たちがこの世界の人間じゃないことを、未来にはここが日本ではなく、異世界であることを話した。


「事情はわかりました……で、でも実の妹と兄がお付き合いするなんて……その……」


ルカは顔を真っ赤にして尋ねてくる。

すると未来は俺に抱きついて、


「再会した私たちの愛は血縁なんて障害にならないのよ!ね、お兄ちゃん?」

「だからバカなこと言うな。離れろ。みんな、こいつはこんなんだけど仲良くしてやってくれ」

「「「は、はあ…………」」」


まあ、初対面でこれはインパクトがありすぎるか。

それでもリーシャ、フラン、リイネス、ルカの順で自己紹介して丸く収まった。と思う。

あと、未来は俺のアドバイスを聞いて「ミク・リターナ」って名前に変更した。


「じゃあ、今日はもう寝ようぜ。みんな疲れただろうし、未来は戸惑いが強いだろうしな」

「じゃあ、お兄ちゃん!私と一緒に寝よ?」


ミクが俺に抱きついてくる。

まぁ、仕方ないよな。


「別にいi」

「ダメです!レン様は私と一緒に寝るんです!私は彼に告白までしたんですよ!」

「なんですか!お姫様だからってここは譲りませんよ!」

「私だって相手が妹だからって譲れません!」


答えかけたところでルカに抱きつかれて、2人が喧嘩を始める。

ルカは何を言ってるんだろう……。

あと、どうでもいいけど、ルカはスタイルがいいから……その、いろいろツライ。

すると今度は服の裾を引っ張られた。


「フラン?どうした?」

「わたしも……おにいさんといっしょ……」

「じゃあ、リーシャも一緒か?」

「うん……おねえちゃんも、いっしょ……」

「え、ええっ!?で、でも、レンさんがいいなら、私は……」


フランの提案にリーシャがもじもじしてる。

やっぱ可愛いな、この2人。

これで………


「ダメよ、レン!そうやって、女の子と一緒に寝るなんて!」

「ぶっ!?」


これでリイネスに叩かれなかったらな……

完全に被害者なのに踏んだり蹴ったりである。


「「もう!お兄ちゃん(レン様)はどっちと寝るの!?(んですか!?)」」


腰に抱きついてる2人のせいで動けないし。

しかもこの質問、女の子が男に聞くことじゃない。


「じゃあ、俺はひとr」

「「「それはダメ」」」


今度はリイネスにまで食い気味で却下された。

なんでだ!?1番堅実な答えだろ!?


「さあ、レン!誰と寝るか決めなさい!」

「レン様は私を選んでくれますよね……?」

「お兄ちゃん!一緒に!一緒に寝ようよ!」


怒りながらだが期待のこもったような目をするリイネス。

今にも泣きそうな顔のルカ。

なぜか息が荒いミク。


「…………ルカで……」

「~~~~~~~~~っ!!」

「「なん、ですって………」」


途端に喜ぶルカと絶望した顔のリイネスとミク。

泣きそうな顔の女の子を見てなにもしないなんてこと男ができるだろうか。いや無理。


「フラン、ごめんな。明日でもいいか?」

「ん……やくそく……」

「うん、約束だ。リーシャ、フランを頼んだ」

「は、はい」


フランを少し泣かせてしまった。ホントにゴメン。


「レン様!早く寝室に行きましょう!」

「はいはい、それじゃみんな、おやすみ」


ルカに引っ張られるようにリビングを出る。

出ていくときのリイネスとリーシャの目が気になった。

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