寝起きの騒動と
翌朝──
フランとリーシャと一緒に寝た俺は、妙な違和感で目を覚ました。
「なんか体が重い……つか動けない?」
周りを確認する。
俺は仰向けに大の字に寝ていたようだ。
俺の上に丸まってフランが寝ている。
そして、広げた左腕を枕にしてリーシャが寝ている。
ここまではいい。いや、広く使って申し訳ないと思うが。
問題は…………
「「すぅ……すぅ………」」
リーシャの隣にリイネス、反対の腕にルカがいること。
………どうしようか。
「ん……おにいさん、おはよう……」
そんなことを考えているとフランが起きた。
「ああ、おはよう、フラン」
「うん……」
眠そうな顔をしているフランを撫でられないこの状況。
猫みたいで可愛い。
「うぅん…………」
「お、リーシャも起きたか」
「……ご主人様………」
「……リーシャ?」
どうやら寝ぼけているようである。
「おねえちゃん、おきて……」
「ん……フラン……ご主人様は……レンさん!?」
状況を把握してくれたようで何よりです。
真っ赤になってフランを抱えてベッドから出てくれました。
「す、すみません、レンさん……」
「いいよ、気にしないで。それより……」
「はい?」
俺は周りを見てリーシャにこう頼む。
「助けてくれない?」
☆
「で、昨日あの喧嘩のあと2人で寝たのかと思ってたけど、どうしてこうなった?」
「「…………………」」
リーシャとフランに助け出された俺は2人を起こし、話を聞いていた。
ちなみにフランはいつも通り首をかしげ不思議そうにしていて、リーシャは苦笑いを浮かべている。
2人は黙っていたけどルカが先に口を開いた。
「だ、だってレン様と一緒に寝られるなんて……2人がずるいです!」
ルカ……お前王女様だよね?そんなんでいいのか。
「私は……レンがルカとかリーシャたちに手を出さないように……そう!監視よ!」
監視するとか言って寝てるじゃん。
「あー、言いたいことはわかった。要はあれだろ?みんな仲良く一緒に寝ようってことだろ?ルカはともかくリイネスも意外と寂しがり屋なのな」
俺が納得したように頷いていると、
「「…………………はぁぁぁぁぁぁぁ……」」
盛大にため息をつかれた。
心なしかリーシャの苦笑いが酷くなった気がする。
「ねえ、ルカ……お互い苦労するわね……あんなので……」
「ええ、リイネスさん……私なんて告白までしたのに……」
なんか2人でこそこそと話していたがやがて、
「まあ、レン(様)だもんね(ですものね)……」
今のは俺でも失礼なこと言われてるのがわかる。
「まぁ、いいや……早くメシ食いに行こうぜ」
「そうですね、行こうフラン」
「うん……」
「そうね、どうしようもないもの」
「そうですね、お腹空きましたね、今日の朝ごはんはなんでしょうね?」
朝飯の話題で盛り上がる女子たちの少し後ろを俺は歩きながら思う。
(まったく……こんな綺麗なメンツに囲まれてなにも思わないわけないだろ……)
まったく大変である。
これ以上面倒事が増えないといいなあ……。