決勝戦
『大変長らくお待たせしました!バトルトーナメントもいよいよ大詰め!では行きましょう!決勝戦!レン選手VSノーム卿!選手の入場です!』
アナウンスが響き、歓声が大きくなる。
俺は東側から、ノーム卿は西側の門から入場してきた。
今回俺は双剣で入場した。
「これで決着をつけようか、下民!」
「リスネでの借りは返させてもらう。リイネスのことも諦めろ」
「ふん、多少力があるからと調子にのりおって。私に勝てると?」
ノーム卿がレイピアを構える。
「勝てるかどうかじゃない、勝つんだよ」
俺が双剣を構える。
『それでは決勝戦!始め!』
「シッ!」
始めの合図と同時に突き出されるノーム卿の突きの連続。
「くっ……」
俺はなんとか弾き返し、距離をとる。
「ほう、今のを堪えるか。ならばこれならどうかな?」
ノーム卿の突きの速度が上がる。
俺は受けきれなくなり、右腕と腹部に突きをもらった。
「チッ……」
「……今のをその程度の傷で堪えるか。調子にのるだけはあるな」
「そっちこそジジイのくせにずいぶん動けるじゃないか」
双剣を胸の前で交差させる。
そしてノーム卿目掛けて投擲。これを後方に弾かれる。
「さぁ、丸腰だぞ!どうするのか見せてもらおう!」
武器を弾いたノーム卿はこちらに突っ込んでくる。
今だ!
「甘いっ!」
「なに!?」
同じ武器を「投影」して切り下ろし。
ノーム卿は反応が遅れ、服を切り裂かれた。
「おのれ……下民ごときが!」
「まだだ!」
弾かれた双剣がブーメランのように戻ってくる。
「なんだと!?」
「当たれ!」
ノーム卿は避けられない。勝った!
そう確信したときノーム卿が笑った気がした。
「レン!」
「ぐっ!?」
リイネスの声で気がつくと双剣は俺の両肩に刺さっていた。
「フハハ、阿呆が!私がまともに勝負してやるとでも思ったか?」
「こンの、クソ野郎が……」
なにをしたのかはわからない。
だが確実にノーム卿に当たるはずだった双剣は俺に刺さっている。
そして、追撃を仕掛けてくるノーム卿。
「ぐぅ……っ!」
「どうした!?なにか返してくれるのではなかったか?」
「るせぇ!」
腕は使えないので、ノーム卿の手目掛けて蹴り。
武器を弾くことには成功した。
「ふん、今の貴様なぞ、武器など使わずとも倒すことができるわ」
ノーム卿が構える。
さてここからどうしようか……