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異世界転移

気がつくと全てが変わっていた。

いや、冗談じゃなく変わっていた。


「どこだよ……ここ」


周りに見えるのは木、木、木。

今いるのがどこかすらもわからない。

服装は黒いパーカーに黒いジャージと変わっていなかった。

持ち物もポケットに入れっぱなしだったスマホのみで変化なし。

しかし、周りの変化があまりにも大きく、俺は唖然としていた。


(俺はたしか……メールがきてそれに添付されてたURLをクリックして……)


そしてふと気づいた。


「あれ…………?クリックしたあとの記憶が……」


そのあとの記憶がまったくなかった。


「どうなってんだよ……」


アニメとかで見るフルダイブゲームではないし、そもそも現代科学はまだそこまで発達していない。

まずここが日本国内であるかも怪しくなってきた。

色々規格外すぎる。


「まったくどうしろって言うんだ…………よ?」


周りを見て気づいたがなんかいっぱい光ってる。

しかも獣の唸り声。

「グルルルル……………」

「えっ」


狼……っぽい。

しかし違う。ツノ生えてるもん。

こんな生物リアルにいたか?

まるでゲームのモンスターじゃん。


「嘘だろ、どうしろっつーんだよ。俺スマホ以外なにも持ってねーんだぞ…………」

「ちょっ、そこの人、早く逃げなさい!」


突然上の方から声がした。

見上げると木の上に誰かいるが暗くてよく見えない。

と思っていたら俺と狼もどきの間に矢が数本撃ち込まれた。


「早くしなさい!」

「くっそ、なんなんだよ!」


俺は声の主の言うことを聞くことにし一目散に逃げ出した。


「そっちにまっすぐ走ると森を抜けられる!急いで!」


俺の数十メートル後ろをシルエットが飛ぶように駆けてくる。

さらにその後ろに見づらいが小さい影の大群が迫っていた。


「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」


運動不足気味の俺にはきつい!


走り続けるうちに出口らしきものが見えてきた。

俺と誰かはそこに飛び込んだ。

そこは平原だった。

狼もどきは暗い森から出られないのか、俺たちを追ってきてはいなかった。


「ハァッ…………ハァッ…………」

「まったく……ハァ……情けないわね……ハァ……」

「そういうお前も……息切れてんじゃねえかよ……つか誰だよ……」

「ふぅ……助けてもらったのにご挨拶ね。私はリイネス・クレシュよ。」


リイネスは茶髪のツインテールに青い瞳、身長は俺より10センチは小さい女の子だった。

特に長く尖った耳が特徴的だった。


「つか、エルフ!?」

「え、ええ、そうだけど……」


エルフは現実には存在しないはず!


「っと、すまん。俺は…………成田蓮だ。」

「ナリタ・レン?ナリタっていうの?随分変わってるわね」

「いや、違う違う。蓮が名前で成田が苗字だ」

「ミョウジ……?なにそれ?」

「は?苗字は苗字だろ」

「いや、なによそれ。わからないわよ。」


苗字がわからない?

それはおかしい。苗字がない人間などいないのだから。

外国人にしても似たような姓がある。

それがわからないのはおかしい。


「………………すまん、リイネス。いくつか俺の質問に答えてほしい」

「別にいいけど……どうしたの急に。顔色悪いわよ。」

「いや、気にしないでくれ。まずはここはどこなんだ?できるだけ具体的に頼む。」

「そんなのもわからないの?ここはグリザイア王国東側のリスネ近郊よ。私はそのリスネに住んでるわ。」

「グリザイア王国……?リスネ……?」

「あなた自分がいた場所もわからないの?さっきの森はリスネの森よ。」

「いや、まあ……わからないな」


正確には知らない。

そんなところ聞いたこともないのだ。

まずここは日本ですらない。

しかも世界観というか……なにからなにまでが俺の知っているものと違いすぎる。

つまりここは…………


「異世界ってやつなのか……?」


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