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王都アルクと伝言

翌日、王都に向かって俺たちはキルカをあとにした。


「なあ、リイネス。王都ってどういうとこなんだ?想像だけじゃどうにもなー」

「はいはい、グリザイア王国は東西2つに分かれてるんだけど王都アルクは私たちが今いる東側でもっとも盛んな場所よ。今の時期は……コロシアムで大会があるわね」

「………………俺さ、その大会に出ようと思うんだ」

「へえ、急にどうして?」

「えっと…………いろんなヤツと戦ってコレに慣れたいから」


そう言って俺は腰に差してある黒刀に視線を向ける。


「どうせダメって言っても聞かないでしょ?私は観客席にいるから頑張ってね」

「おう」


…………なんとか誤魔化せた、と思う。

ノーム卿のことは伏せたし。

そんなことを考えていると、


「ほら、見えてきたわよ。王都アルクが」


リイネスの声に前方を見ると、城のようなものが見えてきている。

ここでノーム卿との因縁を断つ。


       ☆


王都に足を踏み入れると目に入るのは人、人、人。

クードやコルトより圧倒的な人口密度。

さすが東側最高の盛り上がりのある場所という感じ。

たぶん、コロシアムの観客や出場者もいるのだろう。


「じゃあ、コロシアムに行きましょうか」

「……………おう、そうだな」


参ったな、人混み苦手なんだがなぁ……

コロシアムが割と近かったことが幸いして、少し人混みに酔う程度で済んだ。


「大会の参加者エントリーはこちらになりまーす!」


少し遠くからそんな声が聞こえる。


「それじゃ、見てるから頑張ってね」

「ああ、任せとけ」


リイネスと別れ、俺はエントリーに向かう。


「あの、出場エントリーをしたいのですが」

「はい、ここに名前と使用武器をどうぞ」


武器か…………黒刀は当然として残りはどうしよう。

この前の双剣あたりにしておくか。


「……………………よし」

「はい、レン・リターナさん、エントリー完了です。控え室はあちらですので」

「はい、わかりました」


控え室に向かって歩き出した。

すると目の前に黒いスーツの男が現れた。


「えっと…………どちらさま?」

「ノーム卿から伝言でございます」

「……っ!」


このタイミングでか……!


「細工をして決勝で当たるようにしてやった、存分にあがけ、だそうです」

「…………了解しました」

「はい、では失礼します」


やり口は最悪だが、一騎打ちでケリをつけようとするあたり、騎士道精神じみたものは持ち合わせているのかも知れない。

そんなことを思いながら改めて控え室へと向かった。

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