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頭に隕石がぶつかったら、スペースオペラが始まった。  作者: 大間九郎
二章 さあ、お約束のハーレム展開だ
8/14

深見深、鼻血をみて、妹の将来を憂う

まだまだ宇宙は遠いでござるー


食卓に俺、『ジャルパカ』、お姉、珠代。四人でお茶をいただく。お菓子もいただく。


「すいませんお名前をお伺いしていいでしょうか?」

「はいお姉さま~僕は『ジャルパカ』、宇宙人だよ~」

「邪気眼!? 電波さん!?」

 珠代がのけ反る。


「邪気眼? なんのことかな~? 傷つくな~」

 まったく傷ついていない様子でお茶をすする『ジャルパカ』。


「目が御不自由なんですか?」

 お姉が少し、後ろめたそうに聞く。


「不自由じゃないよ~目が元々ないだけ、まったく不自由はしてないよ~」

「そうですか」

「僕からも聞いていいかな~?」

「は、はい」

 聞きにくい質問をした後だろうお姉が緊張している。


「なんでお姉さまと珠代さんはシン君の兄弟なのかな~?」


「なんでそんなことをお聞きになるのです?」

 お姉が少し顔をしかめる。


「いやぁ、だって血がつながってないでしょ~?」

「お前なんでそんなこと分かるの?」

「へへへ、匂いでわかるんだよ~」

「それじゃようく匂いを嗅ぎな、俺たちはいとこなの。血はつながってるの。俺の両親が死んじまって俺はこの家に引き取られてなんとか生きさせてもらってるの。だからいとこでも兄弟なの」

「シン君はおかしなことを言うな~シン君はこの姉妹といとこではないよ。匂いでわかるもん、いとこではないし、まったく血がつながっていないよ。ま~それは僕には関係のないことなんだけどね~」


「そうです関係のないことです」

 お姉が強い視線で『ジャルパカ』を睨み付ける。


 そして俺を見る。

「深君、深君はこの人とお付き合いしてるの?」


 お茶を吹き出す。


「は? 何言ってんのお姉? なんで俺がこの地球外生命体とお付き合いしなくちゃなんねーの? こいつはマー友達? 友達でもないやただの知り合い、今すぐ帰ってもらってもいいんだ」

「それはないよシン君~昨日の夜はあんなにいきり立ったモノを僕の背中に痛いくらい押し付けて攻め立てたでしょ~」

「お前なに紛らわしいこと言ってんの!?」


 珠代は顔を真っ赤にして鼻を押さえてる。鼻血? 鼻血出るの珠代?

「……深兄……いかがわしい……」

 いや、いかがわしくないからね。


「お前さぁ」

「なんだいシン君?」

「それマスク的なの? それとも細胞ごと変身的なの?」

「あ~この姿か~い? 細胞は変わっていないよ~構成を変えただけ~すっかりこの形に体が馴染みましたとさ~」

「お前元の姿に戻れよ」

「え~なんで~気に入ってるのに~」 

「だって昨日のキモエイリアンの姿になればみんな納得だろうが」

「キモエイリアンて! いくら僕でも傷つくよシン君~それにそれは無理だよ~」

「へ? なんで?」

「僕らは一度変身すると当分はその姿から元に戻れないんだよ~」


 つかえねーなーおい!


「だってシン君の危機だから急いでこの姿になってやってきたんだよ~、感謝してほしいぐらいだよ~」


 あっそ。


「ねえ深君、深君もこの人が宇宙人だって思っているの?」

 お姉がきつい目で俺をにらむ。


「こいつは宇宙人、それは間違いない」

「私には地球外生命体なんて信じられないし、何か突飛なことを言って私たちを騙そうとか、何かをはぐらかそうとかしてるようにしか見えないんだけど」

 お姉も珠代もジト目で俺を睨み付ける。


「いや~シン君、本当のことを話しちゃいなよ~」

 話をややこしくした張本人が、なぜか余裕の表情でお茶をすすってる。

 腹立たしいのでゲンコツで殴る。


「痛~い!」

「こら深君! 女の子に手をあげてはダメ!」

「こいつは宇宙人! 宇宙人のメス! 女じゃないから大丈夫!」

「メスってひどいよシン君~」

「メス! なんてふしだらな響き……」

 珠代が鼻血を垂らす。


「女の子でしょ深君! 女の子をメスとか言っちゃダメ!」

「メスだろこんなの! 真実の姿は悪魔崇拝者もびっくりのグログロ映像だわ!」

「本当にシン君は僕に対して容赦がないね~」

「言葉攻め! なんて上級プレイ……」

 珠代が鼻血をダバダバ垂らす。


 へらへら笑う『ジァルパカ』、怒り心頭のお姉、鼻血まみれの珠代。

 カオスカオスした我が家のダイニングで繰り広げられる修羅場のせいで俺は気がつかなかった。



 我が家の中に、すでに、厄災が紛れ込んでいることを。


               ☆☆☆☆


「お姉ちゃん、深兄が彼女つれてきちゃったね……」

「つれてきましたね」

「お姉ちゃん! なんでそんなに余裕なの!」

「だって、(むぎゅ)」

「お姉ちゃん!? すごい胸の谷間! 隠れ巨乳!? 隠れ巨乳だったの!?」

「男なんて生き物は、乳さえあれば最終的にどうにでもできるのです。愛読のハレークウィン文庫にはそう書いてありました」

「お姉ちゃん!? 出典が怪しいよ! 怪しすぎるよ!」





なろうの使い方がだんだんわかってきたので、そろそろもう一作あげようかと思っています。次は恋愛タグあたりを狙っています。

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