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頭に隕石がぶつかったら、スペースオペラが始まった。  作者: 大間九郎
一章 頭に隕石当たる
3/14

深見深、最初の暴力

原稿は書かないでござる―

「いやいい男ってそりゃあんた達にしてみりゃいい男だろうけどおれから見りゃクリーチャーなんですけど」

「そりゃそうでしょ、でも考えてみてよ、僕に君たち地球人の顔再現できると思う? 緊急事態だったんだよ? 君死ぬかもしれなかったんだよ? その中頭部再生するのに顔の形まで考慮できたと思う? できないよ~そこまで器用じゃないよ~だから一番慣れ親しんだ自分たちの顔で作っちゃったてわけ。ごめんね~でも仕方がなかったんだもん、トリアージだよトリアージ、きっとこんなこともトリアージって言葉で解決できるはずだと思うんだよ~」

「いや解決できなくね? こんな顔で生き恥曝してこれは死んでたほうが良かったんじゃね?」

「こんな顔って! 僕は生まれながらこんな顔だよ! シン君ちょっと言葉の暴力が強すぎだよ~心折れちゃうよ? 僕の心が折れちゃうよ?」

「お前の心は知らん、知りたくもないしそんなもん犬に喰わせろ。それよりこれって元に戻るの?」

「犬って! 喰わせろって! 僕心ズタズタで立ち直れるかな~」

「お前の心の話はいいんだ、そんなものケツ拭く紙ほどの価値もない。それより俺の顔元に戻るの? 戻ってくんないと終るし、俺の人生終わるし、俺の人生終わるときはお前も道連れにして無理心中だからな!」

「いや元に戻るよ」

「ほんとか!」

「すごいトキメキ顔ありがとう、シン君の顔は元に戻ります。僕が戻せます。だから安心して」

「お前見かけによらず良いヤツだな『ジャルアナ』」

「完全に名前間違ってるし、航空会社×航空会社だし、『アナ』が×の下にくるあたりが良く出来すぎててちょっと悔しい感じがするし、受けで『アナ』って!って感じだし、それに僕は見かけだって温厚そのものだよシン君。僕は『ジャルパカ』、名前を憶えてくんないとさびしくて泣いちゃうよ? 僕なら直せるし直し方を知ってる。どうかなシン君? ここで取引と行こうじゃないか。僕の手伝いをしてくれると約束してくれれば君の顔を今すぐ治す。どうかな~手伝ってくれないかな~?」

「脅し!」

「脅しじゃないよ~お願いであり懇願だよ~」

「いやでも、この顔になったのお前のせいじゃね?」

「いやもう、だれがやったかよりも、この先どうするかに焦点を当てようよ。建設的な解決策は過去ではなく未来にあるんだよシン君」

「いや何言ったって俺は被害者でお前は加害者で、俺は自分の生活が今まで通りでないと納得しないからな、弁護士呼んで来い弁護士! お前のこと民事、刑事両方で訴えてやるからな!」

「いいのかな~そんなこと言っても君の顔を治せるの全宇宙で僕一人なんだよ~いいのかな~」

「とりあえず建設的な話をしようじゃないか『チャイハネ』君」

「それ中華街にある雑貨屋さんの名前で僕は『ジャルパカ』」

「わかった『チチカカ』君」

「それも雑貨屋さんで、もう僕の名前からはだいぶ遠いからシン君。僕は『ジャルパカ』」

「うん、『シャバシャバ』君、とりあえず協力は惜しまないから俺の顔治してみ?」

「ほんとに~!」

「いや君そんな顔だけどすごいかわいい表情したね。キモいけど、かわいい表情もキモいけど、でもその表情に免じて協力するよ、だから早く俺の顔治してみ?」

「うん! 今治すね!」

「何その極悪そうな器具?」

「うん! これを耳の穴に三十センチ突っ込んで、二千回回すの! そうすれば治るから!」

「死んじゃう! 顔元に戻る前に死んじゃう!」

「大丈夫! 死なないように設計されてるから!」

「いやだってそんなハリネズミみたいの耳の穴入いんなくない!? 入った時点で昇天じゃない!? 魂反対の耳の穴から出てっちゃうんじゃない!? いやいやいや無理! ほかの方法で! たのむから! なんとかもっと穏便な方法で!」

「いやこれしか方法ないから、これ今まで死亡例とか出てない手技だから絶対に大丈夫だから、ほらいきますよ~」

「いやいやいや! マジムッリマジムリ! なんで手足押さえつけるの!? 頭から出てる触手で手足押さえつけて自由を奪うの!? この目隠しはなに!? なんで視界を奪われないといけないの!? 刺さってる! もう痛いんですけど! 耳たぶの時点ですごい激痛なんですけど! 痛いイタイイタイ! 入んない入んない! マジ無理!マジ無理!マジ無理! 無理無理無理無理あっでべぶじゅじゅぼぼぼぼぼぼっぼおぶぶびべじゅだじゅべじゅぼーーーーー!!!」

「いやスゴイコーフンするー! なんか僕芽生えそう! 萌えそうで燃えそう! 回すよ! 二千回回すよ! うわー! だめだー! 僕なんか駄目だー! テンションの波が最高潮から一向に降りてこないー! イクー! イクー!」

「あっでべぶじゅじゅぼぼぼぼぼぼっぼおぶぶびべじゅだじゅべじゅぼすしししでじゃぶびろびろできぐじゃらぽでぶじじじじゃじゃじゃじゃでぶじゅらけだけらでずじぅじぅびびびびぼびびびびびびびびびびびびーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」

「はい終了です」

「…………」

「あれ? 意識飛んじゃったのかな~?」

「…………」

「あれ? もしかして魂反対の耳から出ちゃったのかな~?」

「…………死んでない?」

「シン君はいきてるよ~」

「…………死んでいない?」

「大丈夫だよ~いきてるよ~顔も元に戻ってるよ~」

「…………ホント?」

「ホント、ホント。もうだれもシン君の顔いじくることできないよ~もう顔の形は変わりません。ハイ完成。ハイ地球人シン君完全復活」

 俺はまた球体の前に立ち、顔を見る。うん、元通り。完璧俺の顔。少し犬歯が牙牙しいのと、耳が尖ってるのを除けば完全に今までの俺と変わりない。この際耳と犬歯はいいってことにしよう。またアレやられたりしたらたまらんし。

「元に戻ってる」

「そうでしょ~いいでしょ~、これでシン君の願いは叶えられました。次は、」

「ありがとうございました」

「え? いいよそんなこと~、それよりも次は、」

「それじゃ帰りますんで」

「あ、あ、そう。おやすみなさいシン君。ってない言ってるのさ! シン君顔治ったんだから次は僕のお願い聞いてくれるばんじゃん! 一緒に来てくれるんでしょ!? そう言ったよね!? ほら今から説明するからもっとこっちに来て!」

「うるさい人食いエイリアン!」

「人食い! 菜食主義なのに人食い!」

「お前との約束なんて守れるかボケ! ひとりで行けボケ! 俺は帰るわボケ! 一人で責任とって謝罪会見でも開けやボケ!」

「ダダダ騙したんだね! ひどいよシン君! 僕は信じて顔まで治してあげたのに!」

「知るかボケ! お前がグチャグチチャにした顔だろうがボケ! お前が治すのは当たり前だろうがボケ! これで貸し借りなしにしてやるからありがたく思えボケ! アディューボケ! 生き恥曝して生きて行けやボケキモ腐れエイリアンが!」

「ひどい言葉を呼吸をするように発するね君は。それじゃあシン君はどうしても僕に協力してはくれないと」

「協力するかボケ!」

「どうしてもしてはくれないと?」

「二言はないわボケ!」

「嘘ついておきながらその言葉のチョイスとか結構ヒドイけどそれならそれでいいや」

「あぁー!」

「無理やりでもシン君連れて行くからね!」

「やってみろやボケ!」

「行くよシン君!」

「かかってこいや!」

 触手を伸ばし『ジャルパカ』の体が二倍に膨らむ。口が裂け凶暴な牙が全て露わになる。超高速で地面スレスレを飛び、襲いかかってくる。

 ポカり。

「痛ででででででででででーーーーーーー!!!!!!!」

「お前思ったより最弱な」

「僕はこれでも戦闘民族だよ!」

「でもスゲー弱いじゃん?」

「宇宙最強と言われたハンターなんだよ!」

「でも一撃じゃん?」

「恒星の炎の中で生まれた神秘の生命体だよ!」

「でもかなりしゃばしゃばじゃん?」

「シン君強すぎだよ!」

「いやいやいや俺普通の高校生だし」

「いやいやいや僕を倒せる生命体ってそうそうこの銀河にはいないんだよ!」

「いや俺に倒せるってことは結構な数の人類がお前のこと一撃で倒せるぜ?」

「いやいやいやそんなの不可能だから! 人類過大評価しすぎで自分過小評価しすぎだから! きっとシン君恒星破壊装置との一体化でおかしな力身につけちゃってるから! もうきっと太陽系最強だから! これって計算外に厄介だから!」

「おいクソ」

「あつかいがスコブルひどくなってる!?」

「おい最弱キモ宇宙人」

「人の心にPTSD植え付けようとしてる!?」

「く、く、く、お前俺の足元におよばないクズ虫じゃん? おい逆らわずに俺を家まで運んでくれよクズ虫」

「そ、そんな脅しに屈しないもん!」



「ジャーこれでいこうかー」



「なんで! なんでさっきシン君に使った顔面再生装置を手にしてるの! それは危ないんだよ! 使うには千時間以上の講習と四十日間の実習が必要なんだよ! 素人が扱えるオモチャじゃないんだよ! やめて! 危ないから近づけないで! 痛い! そこ耳じゃないし! なになになになになんで背中に押し当ててぐるぐる高速回転させようとしてるの! そこ穴ないから! そこまで地球人と体の構造違わないから! やめてって! マジで! マジで! マジイタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!」


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