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第三話『愉快なお友達』

三話目です。投稿ペースがガクッと落ちました。

でも見てくれると嬉しいです。

ネネちゃんに勧誘された『魔力集め』の手伝い。結局俺は引き受けることになってしまった。その出来事が起きた昨夜を振り返る。

『手伝うってそんな…』

『ここまで喋ったんだから手伝わないはずが無いよね?』

『いやそれはそっちが勝手に喋ったことだろが』

『ふーん…(ヌギヌギ)』

『おい、何で急に服を脱ぎだすんだ』

『私が裸で貴方の部屋から助けを求めたらどうなるんだろね』

『おまっ!それは冗談じゃ済まされねぇぞ!』

『じゃあ手伝ってくれる?』

『それは…』

『きゃーたすけてー』

『分かった!手伝う!手伝うから!』

『うん、よろしくね♪』


…これって脅迫だよな。

「で、なんで協力一日目に手伝えないの?」

「それは俺には大学があるから」

いくら脅迫されたとしても肝心の大学をサボるわけにはいかない。ネネちゃんにはある程度説明したので一応は納得してくれたようだ。

「じゃあ家でゆっくりしていてくれよ」

ネネちゃんにそう言い残し大学へと出掛ける。

「いってらっしゃーい。…ってあれ?この包み…」




アパートから徒歩約10分で俺の通う大学に着く。

設備から何まで充実している上に家の近く。これほど素晴らしい大学は無いだろうと高校時代に必死で猛勉強した甲斐があるというものだ。

「おーい、しげっちー」

門を抜けようとした時に後ろから俺を呼ぶ声がした。少し茶色の混じった短髪の髪、長身ですらっとした身体に黒の眼鏡が映える。

男の名は中野康人(なかのやすひと)。高校時代からの俺の友人だ。

「おはようヤス」

ちなみにしげっちというのは俺の愛称みたいなものでヤスというのは康人の愛称みたいなものだ。

ヤスは周りから見ればイケメンに分類される人間で成績優秀、おまけに中野財閥の御曹子という勝ち組人生まっしぐらな人間なのだが…、

「おはようじょー!」

「…いい加減その挨拶止めてくれ」

「いやさ、しげっちにもロリの素晴らしさを教えたくて」

「いらんわそんな教え!!」

どういう訳かヤスは重度のロリコンで中学生以上は年増という思考回路を持つ勝ち組人生の道を横からダイブして見事に外れた残念な奴なのだ。

「それにしても妹ってよくないかしげっち?」

「はぁ?何だ急に?」

「考えてみろよ!朝に弱い自分を起こすために非力な小さな手で『お兄ちゃん起きて朝だよ!』なんて言ってくれるんだぜ!?おまけにお弁当なんて作ってくれちゃってもう!!」

「分かった分かった。お前の妄想話はいいから」

もちろんヤスに妹はいない(こいつの家族構成は知らんがいないのは確か)。

ヤスはこうして毎朝俺にロリの素晴らしさを熱弁するのだ。

「あぁ…義理で優しい妹が欲しいぜぇ…」

「んなのあるわけ無いだろ」「お兄ちゃーん」

「そうそうこんな感じで…」「お兄ちゃーん」

「諦めろ。現実は残酷だ」

「お兄ちゃんってば!」

「ぐぇっ!?」

突然シャツの後ろ側を強く掴まれる。

「だ、誰だ!?俺に妹なんか…」

掴んだ奴を確認すべく後ろを振り返ると、そこにはなぜかネネちゃんの姿があった。

「ね、ネネちゃん!?」

「お兄ちゃん忘れ物だよ♪」

そういってネネちゃんはチェック柄の包みを渡す。

「お、俺の弁当…てかお兄ちゃんてなに…?」

「(一応カモフラージュのため。それとも恋人がよかった?)」

「それは勘弁してくれ」

見た目10歳の女の子と付き合ってますなんて言ったら間違いなく俺は豚小屋行きだ。

「し、ししししししげっち…お前…お前それ…」

そして俺の横でヤスは片手を噛み俺を指差しわなわなと震えている。

「お前妹がいたのか!?」

「ま、まあな…」

一応便宜上妹となってしまったので仕方なくネネちゃんの設定に付き合う。

「き、君…名前は?」

「ネネ=ミネラです」

「ミネラ?しげっちの苗字って青木じゃないのか?」

「実はミドルネームがあってお兄ちゃんの本名は青木=ミネラ=茂なんですよ」

「そうだったのか!!」

「それ信じちゃうの!?」あれ?こいつ成績優秀じゃなかったっけ?

「おまけに妹お手製の手作り弁当…レベル高ぇぞこれ…(ゴクリ)」

「いや作ったの俺な」

「そしてコスプレ!」

ヤスの台詞にハッとなる。今のネネの格好、端から見れば魔法使いのコスプレイヤーだと思うだろう。

「で、なんでそんな格好してんの?」

(マズイ!ネネちゃん、上手くごまかして!)

ネネちゃんに向けてアイコンタクトを送る。

すると伝わったのかヤスに見えない角度でグッと親指を立てる。

「それは…お兄ちゃんに言われて…」

「最悪だよ!」

ネネちゃんは多分一番駄目なごまかし方をした。

「しげっち…いくらなんでもそれは引くわ…」

「ち、違う!ネネぇ!?どうして普通の服に着替えなかったのかなぁ!?」

「だってお兄ちゃんが私の服全部隠しちゃうから…」

「あくまでもその設定貫くのか…!」

「しげっち……」

ヤスが俺に向ける視線は段々と冷たくなっていく。ロリコンにロリコン扱いされるなんて屈辱でしかない。

「ネネ!一旦家に帰ろう!普通の服に着替えよう!な!?」

ネネちゃんを抱えて猛ダッシュで逃げる。

周りからの視線は俺を完璧にロリコンと認識していた。

次回の投稿予定は未定です。でもなるべく早く投稿したいと思います。

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