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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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 図書館から戻って、スネイプニルの世話をしに厩舎に向かう。

 疲れが癒えると馬達は退屈し始める。

「明日は早朝にでも散歩に行くか?」

 と3人で話しながら厩舎に着くと、騎士団の方だろうか?偉そうな人達が厩舎の前で数人待っていた。


 一緒に馬を見に来た第二王子殿下とその侍女が「この国の騎士団長様と近衛騎士団の団長様ですわ」と教えて下さった。

 団長達は研修施設での新人騎士のやらかしの件を詫びにいらしたようで、私達は彼らにも頭を下げられた。すでに新人騎士も含め全ての関係者への処罰は降りたと聞いている。我々も油断していたのは事実だから、マックス殿下からも処罰も軽くするよう依頼されていたはずだ。


 だから「これ以上の詫びは不要である」とザック殿下より伝えられると、彼らは恐縮しながらも安心しておられた。

 私達が役割分担しながら馬の世話をしていると、少し離れて見ていた第二王子殿下が「第三王子殿下はスネイプニルに乗れるんだねぇ」と不思議そうに仰ったので、リリベルはマックス殿下に聞いてみる。


「本来、スネイプニルが赤い髪の人を乗せないというのは、馬達が赤い色に興奮するからなのですか?」

「赤ぇから興奮する訳でね。赤ぇ髪は元々、火山の国の王族だべ?」

 と言われてリリベルは思い出す。

 赤い髪はフェニックスの羽根。金の瞳はフェニックスの瞳…


「もしかしてフェニックスだから?」

「んだな。フェニックスは他所の神獣だべ。だはんで、サオリはよぐ許すたなど思ってあった」

「瞳の色は金じゃないからかな?」

「どちらにしても女神様のお陰だと思うのですけど」

「かもしれんが、サオリはよく分がんね」

「確かに」とリリベルも思った。


翌朝の早朝、人気の少ない王都近くの川沿いをスネイプニルで散歩してから朝食後、我々は次の南の国に向かう為の地図を広げている。

 東の国から南に向かうには王都から南下して巨大なジャングルの手前にある東側の砦と南側の関所を抜けるルートが王道だ。西と違い砦までの道は、すでに立派な道が通っていて道中のインフラもちゃんと整っているらしい。


 南との国交は無くともジャングルで獲れる幸が東の国では重要で、早くから輸送ルートとして道を敷いていたそうだ。それに東の国からジャングルを抜けて火山の国に行くルートもあってさすが知恵と技術の国だと感心した。

 ジャングルは東と南、火山の国にまでまたがるほど広大に広がっているのにジャングル内には国境を設けていないそうだ。だから火山の国まで行けるルートがあるというのは納得だけど、行き来はそう多くはないという。

 せっかくガイドブックがあるのに勿体無いな〜と思う。


 ちなみにジャングルで獲れる幸とはオオトカゲはもちろん、貴重な薬となる植物などだ。ジャングルの手前では南国フルーツの農園もあるそうだ。ここのバナナやパイナップルが西と北に主に輸出されている。

 他にも珍しい植物や昆虫、鳥類、爬虫類もいるそうだが毒を持った生物が多いから知識がないと危険らしい。そしてジャングルの奥まで入って迷うと二度と出れなくなる恐れがあるそうで、国境を引かない理由はそれもあるそうだ。


 さてジャングルを見たいと仰るマックス殿下はどこまで行かれるのか?

 東の砦まで普通は馬で約10日の距離だ。単純にスネイプニルなら5日くらいで行けるのかな?


「道混んでなぐで、本来のスピード出せるだば5日で行げるで思う。すたばて…」

「気温の上昇とスネイプニルの体調管理ですよね?」

「んだ。あいつら暑い国で過ごさせだごどねだ」

「マックス殿下、高温対策は水の魔石があります。ですが走行中はどうでしょうか?」

「直射日光でなければイケるが」

「じゃあ移動は夜間がメインで。次は宿泊場所ですね」


「私の実家の侯爵家にもぜひ寄ってちょうだい。侯爵領は道中だし蚕の産地よ。東の名産のシルクよ」

 有り難い事に、王妃様がご実家を紹介下さった。

「私のドレスに頂いたシルクですね!」


「フフッそうよ。あなたが着てくれたから、また人気が上がったわ。きっと本人が訪問してくれたら家族も喜ぶわ。ただ王都からは3日の距離よ。幸い道中には大きなホテルもいくつかあるわよ。商人達が行き来するからね。ホテルを決めたら連絡させるわ。スネイプニル用の厩舎が要るのでしょう?」


「マックス殿下、3日ならホテルを経由しないで行けるか?」

「道の混雑次第だぎゃ」

「ところでマックス殿下はジャングルを見たら元来た道を引き返すのですか?」

「多分…んだども、わ、一人なら何とでもなる。いつも任務は一人だはんでマラサダも慣れてら」


「もしかして今まで私達の旅のペースに合わせて下さっていたのですか?」

「あだ達は任務じゃねぇ。旅行だ。おい達は旅じゃね。すたばて無理のねぇ行程はスネイプニル達も穏やかだった。きっとそれが正しぇな。あとオヤツな」

 マックス殿下はそう言って笑った。


 スネイプニルに詳しい王族も、私達から何か学んでくれたのなら嬉しいなと思った。

 それがスネイプニル達の為になるなら。

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