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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「これを見だっきゃ、リリちゃん人形の罪悪感薄れるな」

「そこは罪悪感を感じるとこっ!」

「あだ達の国も十分やらかしとるだはんで」

「それは否めない…」

 だけど、どちらも本人の了承なしでやり過ぎではないだろうか?!


「やあ、やっと来たね。私は絵もお人形もどちらも嬉しいよ」

 神様はリリちゃん人形を大事に抱えている。

「神様、最近ずっと持ってるソレ。ソレがリリちゃん人形か!」

「そう。可愛いだろ?」

「我が国で作れば、もっと精巧に作れそうですけど」

 おいっ何だと?!


「良いんだよ!これは。この素朴さが良いんだ。それに抱き心地がいい」

 え?ずっと抱っこしてるの?

「あ〜だはんで皆、抱っこしとるだが?」

 え?皆?


「第三王子殿下いいのかい?人形とはいえ、皆がリリちゃん人形を抱き締めているみたいだよ?」

「ええ。私には本物がいますので」

「これはこれはご馳走様だな〜」

「おー!西の男は口が上手ぇな」


「いいなぁ。本物」

 神様がリリベルを人形ごとムギュッと抱き締めてくる。

「東の神様も婆っちゃみたいに嫁さんもらえばえぇ」

「うん。でも私はいいんだよ。妹も独りだからね」

 神様はそう言って笑ったけど私の頭に頬ずりしている…嫁さんもらえっ!


「神様、これから伝言伝えてくるのはウサギをやめて、リリちゃん人形にしたら?私もリリちゃんが伝えてくれると嬉しいな」

「駄目だよ!コレは私のそばから離さないの!」

 そう仰って神様はリリベルの瞳を覗き込むと「フフッ」と笑った。

 一体、何?その意味深なの。


「神様、そろそろリリベル妃を離してあげて下さい。第三王子殿下がヤキモキなさっておいでですよ」

「ああ悪いね。でも君は毎日、抱き締められるからいいだろ?私は妹にもリリちゃんにも滅多に会えない」

 ザック殿下はグッと堪えるが…

「お〜やっぱりリリちゃんは毎日OKだが」

 おい!それは話が違うぞ!


 私達は神様と別れて書庫から出ると、伯父が「これから王都の図書館を案内しようか?まだ行った事がないだろう?」と提案して下さった。図書館は最初に来た時に少し寄っただけだから、ぜひ見学したい。

 でも忙しい伯父に案内させてもいいのだろうか?と聞くと「良いんだよ。姪っ子じゃないか。それに王族の案内は他の王族か私がしないと失礼だろう?」と茶目っけたっぷりに仰ったのでお願いする事にした。


 図書館には王女殿下もご一緒する事になり、王家の馬車で図書館に向かう。上の二人の王子殿下方はすでに色んな教育が忙しく平日はあまり遊べないそうだ。

 やはり王族は小さい頃から大変そうだ。

 リリベルも早く王族から抜けないと、いつか自分の子供も大変な目に遭うのかもしれないなと思った。

 少しでも早く王族を抜けなければ!と考えていると、もう図書館に到着した。


「神殿みてぇだな」マックス殿下が仰った。

 私も初めて見た時、そう思った。あの時と変わらず王都の図書館はとても立派で荘厳だった。

 王家の馬車が図書館の裏口に到着して馬車から降りると、図書館の館長が出迎えて下さった。


 最近は毎回、偉い人が出迎えてくれるのにも慣れてきた。

 それに侍女や執事、隊長とかそういう自分より下の「色んな役職に“さん付け”して呼ぶのは止めなさい」とシャーロットのお祖母様によく叱られた。

 ザック殿下が今後、王族を抜けられても確かに下級貴族になる事はないか。

 だったら今後も必要なことだなと思う。まあまだ敷居が高く感じるのは仕方のない事なのだけど。


 「ようこそ東の図書館にお越し下さいました。西の第三王子殿下、妃殿下、北の王子殿下。王女殿下も司書殿もお久しぶりですな。今日は司書殿が館内をご案内されますか?」


「館長。出迎えありがとう。以前、訪ねた時は急ぎであった為、入口付近しか見れなかった。国を代表する図書館だ。とても見応えがありそうだな」

「左様でございます。じっくりご覧になるなら1日では、到底足りないでしょう」


「館長、今日も殿下方は十分時間がある訳ではない。どのような箇所をご覧になりたいか、あらかじめ伺っているので今日は私がご案内するよ」

「きっとそれがよろしいでしょう。私などは直ぐに自分の世界に没頭してしまいますからな。それではどうぞごゆっくり。何かあれば館長室におりますので気軽にお呼び下さい」

 そう言って館長は戻って行かれた。


 我々は裏口から正面ロビー側に回り、最初に館内見取り図で図書館の大まかな説明を受ける。

 初心者も最初はこの説明を図書館の案内係から受けないと、とても迷うのだそうだ。だが王都の民は小さい頃から親や兄弟に学んで図書館に通うらしい。


 西の大神殿と同じで東の国民は死ぬまでに必ず一度、ここに訪れて本を読みたいと願う神聖な場所なのだそうだ。

 私達も心して見学させてもらう事にした。

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