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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「はい。施設は新人騎士の育成指導の他に、節目の教育を行ったり隊長や教官など指導役になる者の教育を行います。特に今は国防以外に実践の機会も少ないので我が国では騎士の研修に重きを置いております」


「それは凄いな。施設の見学も可能か?」

「はい。今は春なので恐らく今年入ったばかりの新人騎士の研修中かと」

「ではぜひ研修施設への滞在を望みたい」

「承知しました。連絡を取りますのでお待ち下さい」


「連絡はどのように取るのですか?」

「私の書斎に神様宛の手紙を書いて置けば届きます」

「え?それだけで?不思議なシステムですね」

「司書様が選ばれてから書斎が機能するようになったのですよ。神は本のある場所は全て把握出来るそうです」


「なるほどな。西では神殿を通して人々の暮らしを女神様が把握なさっておられるのかもな」

「わの婆っちゃは、どうしてるんだべな?」

 まさか…スネイプニルじゃないよね…?

 リリベルは余計な事は考えないようにした。


 それから公爵家で1日お世話になった後、また夜に騎士団の研修施設に向け出発した。

 研修施設への移動時間も1日近くかかる見込みだ。

 ただ王都に近付いているせいか馬や馬車の交通量が夜でもそこそこある。


「北なら白馬見だら道譲るのだげどな」

 とマックス殿下が仰るが、深夜になるとさすがに交通量も減ってきて、やっとスネイプニルの本領発揮だ。それでも朝には到着予定だったが予定より少し遅れて昼頃、東の騎士団の研修施設に到着した。


 研修施設ではちゃんと連絡が行っていたのだろう。我々が姿を見せると直ぐに厩舎に案内され、必要な物も事前に準備されていた。

 そして施設長と、今、新人騎士の訓練を担当されている教官を束ねる教官長が挨拶に出向いて下さった。


「出迎え、ありがとう。公爵の紹介でここに寄らせてもらった」

「ようこそお越し下さいました。西の第三王子殿下、妃殿下、そして北の王子殿下。ここはただの研修施設ですので珍しいものは無いかと思いますが、どうぞごゆっくり滞在下さい」


「ありがとう。我が国には騎士の研修施設自体が無いから見学させてもらえると嬉しい。もちろん明かせる場所のみで結構だ」

「北にも騎士の研修施設はねぇだ。見学させでもらいでゃ」

「隠すところなど何もありませんので、どうぞお好きにご覧下さい。訓練の内容でしたら教官が、施設の案内でしたら私が。ですが今日は到着したばかりですので先に休憩なさって下さい」


「配慮、有難い」

 我々は少し仮眠をとって、夕食を施設長と教官達といただきながら明日の予定の話をする事になった。

 

 しかし、夕方に騒ぎが起こった。

 施設で研修を受けていた新人騎士の数名がスネイプニル達に近付いたのだ。

 ちゃんと事前に白馬には絶対、近寄らないようにと教官から命じられていたにもかかわらず、自分に自信のある血気盛んな騎士達が北のスネイプニルと聞いて興味の方が勝ってしまったのだ。


 当然、新人騎士達は3頭に攻撃された。

 サオリだけでも強いのに3頭なら攻撃力も相当だ。彼らを遠巻きに見に来ていた仲間の騎士達も、やられた仲間を助けようとして巻き込まれてしまった。


 騒ぎに一番最初に気付いたマックス殿下が厩舎に駆け付けると、やられた新人騎士達が怒りで剣を抜いて馬達に斬りかかろうとしていた。その事は怒ったマックス殿下に光の剣を抜かせてしまったのだ。


 スネイプニルは女神の馬で北の神獣だ。

 マックス殿下の怒りは当然だろう。ザック殿下もリリベルも慌てて現場に駆け付ける。

 いや〜光の剣を抜き放ったマックス殿下は、それはそれは恐ろしかった。金髪が溢れ出る魔力で揺らめき、光の剣も神々しいと言うより青白い光を放っていて恐怖の一言だ。


 ザック殿下が間に合って、間に入る事で事態は一旦収まったが、光の剣を向けられた新人騎士達は明らかに腰を抜かしていたと思う。

 今までは、どの場所でも口頭による警告だけで何事も起こらなかったから私達も油断していたんだ。

 やはり騎士達は新人でも白馬を見ればジッとはできないのだろう。

 御したいと思うくらい美しく立派な馬なのだ。


 でもさすがに勝手にはダメだ。

 スネイプニルじゃなくても王族が乗って来た馬達なんだぞ!

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