表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/35

27

「世話になったな館長、我々は今夜、また道が空く時間にここを発つよ。製本所の見学はとても有意義だった」

「かしこまりました。ではそれまでごゆっくりお過ごし下さい」

 製本所の見学の翌朝、朝食後にザック殿下が館長にお伝えになると館長はそう言って下がられた。


「ザック殿下、マックス殿下、昼食はどうされますか?仮眠を取って出るなら夕飯は遅めにとりますか?」

「そうだな〜。昨晩、館長にこの場所が地図のどの辺りか確認したんだ。山の麓から1日走り抜けたが、王都までは残り2日はかかるな」

 と話し合っていると、再び執事がやって来て「神様からのご伝言です『私はもうここには居ないよ。次は王の親戚の公爵家の屋敷に行くと良い』との事です」

「館長、ありがとう。ここから公爵家まではどれぐらいだ?」

「普通の馬でしたら2日くらいかと」

「そったら夜出て昼前には着ぐだ」

 1日はかからないって事か。


 我々は昼食後は仮眠を取って、夕飯を少し遅めにして夜出る事になった。

 サオリ達にもそれを知らせに厩舎に行くと伝令鳥が「ワイナリーに返礼手配完了。東の王家にも引き出物届け済み」と伯父からの返信を伝えて来た。

 さすが伯父だ。仕事が早い。こっちは各地の土産物が直送できないのが残念だな〜とちょっと思った。

 我々はスネイプニルが高速で走る為、いつも荷物は最小限だ。

 それにしてもサオリは子爵領の馬達を見てペガサスの血を引いているのが分かったのか。凄いもんだ。

 

 夜になり、館長に礼を言って屋敷を出る。

 公爵領も大きな街道沿いなので道も分かりやすいそうだ。


 順調に夜の街道を走ると昼前には街道から公爵家の屋敷と思われる大きな建物が見えてきた。それを目標に進んで行くと屋敷の門が見えてきたので立っている門兵に話し掛ける。


「西の第三王子と北の王子が訪問したと中の者に伝えてくれないか?」

 門兵はザック殿下の赤い髪を見て慌てて中に知らせに走る。

「あだの赤い髪、便利だな?」

 確かに西の王家の赤い髪と青い瞳はそれだけで身分証になる…。

 衛兵が知らせに行って5分くらい待っていると屋敷から、たくさんの人がワラワラと出てきた。


 門が開けられ先程の門兵が「どうぞお入り下さい」と言ってきたので屋敷まで馬を進めると「ようこそ西の第三王子殿下ご夫妻、北の王子殿下」と屋敷の主人と思われるご夫婦が出迎えて下さった。

「屋敷の主人、公爵ご夫妻か?突然の訪問で迷惑かけるな。出迎えありがとう」

「とんでもない事でございます。とりあえず中へ」


「ああ。悪いが白馬達を休ませたい。3頭を他の馬から離せる厩舎はあるか?馬場にも出れるなら尚、良いのだが」

「もしや北のスネイプニルでございますか?!直ぐにご案内を」

 公爵のこの言葉で周囲の騎士達が走って行く。急遽、厩舎を空けるのだろう。申し訳ない。


 我々も馬を降りて執事の先導で厩舎に向かうと、ちょうど騎士が馬を移動したところだった。

「世話をかけるな」と殿下が言うと「問題ありません」と空いた厩舎に案内してくれた。

 ザック殿下が厩番と騎士、執事にスネイプニルの注意事項を伝えてくれている間にリリベルは3頭に回復魔法をかけていく。マックス殿下は飼い葉や水を準備してくれている。

 最近の3人の連携プレーだ。


「サオリ、挨拶が終わったらおやつを持ってブラッシングに来るから待っててね」と言うとサオリは「分かったよ」と鼻を鳴らした。

「おめらほんにスネイプニルに過保護だぎゃ。そったで馬達に懐かれるべな」

「北と違って世話をできる人間が自分達だけの事が多いですから」

「そうか〜あいづらは放っておぐ方がえのがど思ってあったよ」

 確かに普通の馬だったなら「お願いします」と引き渡すだけだったかもなと思う。

 だけどスネイプニルは自分にとって、馬と言うより対、人に近い存在なのかもな〜と少し思った。


「バタバタとしたところをお見せして申し訳ありません」

「こちらこそ急な訪問でしたから」

「実は我々も公爵領に到着したのは昨日でして…」

 と公爵は済まなさそうに仰った。

 今の時期は貴族にとって社交シーズンだ。彼らはきっと王都に滞在していたのだろう。


「もしや我々の為にわざわざ?」

「はい。ですが元々、殿下方が北から来訪の際は我らの屋敷にご案内する手はずだったのです。ですが北を出られたと連絡を受けましてから、まだ大丈夫だろうと余裕に思っておりましたら、司書殿より“至急、領に戻られよ”と指示を受けまして、このようにバタバタと」

「本当にお恥ずかしいお話ですわ」


 公爵夫人は国王陛下の姉君であらせられるとの事だ。陛下にお顔が少し似てらっしゃる。

「北の国境から随分早いお越しで少々驚きました」

「はい。少し強行軍で来たのもあります。我々はスネイプニルを連れておりますので宿泊できる場所が限られておりますし、一ヶ所にあまり長居もできませんから」


「なるほど。ですが王都まではさすがにスネイプニルでも、あと1日は宿泊を伴われる方が良いでしょう。次は王都郊外のホテルのご案内を差し上げようと思っておりましたが、お話を聞いておりますと騎士団の研修施設の方が宜しいでしょうか?」

「研修施設!そのような物があるのですか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ