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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「ベルナルドお兄様!」

「リリベル、早かったな?もう少し時間がかかるかと思ったよ」


「ベルナルドお義兄様!」

「お前…それ止めろ。殺意しか湧かない」

「ハハハッでもお義兄様だろ?」

 兄がザック殿下を睨み付けている。


「ちょっと二人共、今は止めてよ!サオリは?」

「ああ、とりあえず厩舎にいるよ。あいつ慣れてるんだな?それにここの使用人達も。サオリを見たら直ぐに厩番と騎士達が厩舎を空けたから、サオリは勝手に入ったみたいだ。俺が知らせを聞いて見に行ったら、後からセノビックまで来たからビックリしたよ」


「ナル兄ちゃん、セノビックは多分…」

「ああ。分かっているよ。アイツは今も北の馬なんだろ?それで今回は俺に会いに来た訳ではない?」

「うん。多分」

「そうか。サオリ達はしばらく大丈夫だ。お前の情報通りにバナナを多めに与えておいたそうだから。それより俺の彼女を紹介するから、少し茶でも飲んで行けよ」


 私達は侯爵家の応接室に通されると、まだ両親達が子爵領に戻らず残っていた。でも爺様達がいない。


「お父様、お母様!」

「まあリリベル!ウエディングドレス姿、とても綺麗だったわ」

 母が駆け寄って来て抱き締めてくれる。

「お母様ありがとう。爺様達は?」

「爺様達は今朝、婆様の実家に二人で出掛けて行ったよ」


「お父様、今回は珍しく長く王都に滞在しているのね?子爵領はいいの?」

「次兄のところの次男にヨロシクと言っといた」

「えっ?!ミカエル様に?彼だって聖騎士の仕事があるでしょう?」

「リリ、大丈夫だよ。毎年、私が神殿にはたくさん寄付をしているし、今回はお前も魔石を寄付しただろ。それぐらいは許される。それよりベルナルド、彼女を殿下達に紹介しなさい」


「そうだな伯父上。リリ、義弟殿、俺の婚約者のクリスティンだ」

 紹介された女性がスカートを摘んで腰を落とす。足が悪いと聞いていたが全く分からない。

「クリスティンと申します。宜しくお願い致します」

 と言ってニッコリ微笑まれた。


 クリスティンさんは、とてもキレイな人だった。

 でも話してみると気さくで明るくて思ったよりも、とても活動的な女性なのだと分かる。足の不自由さを全く感じさせない雰囲気と、そして意志の強そうな瞳。

 なるほど!ナル兄ちゃんが頑張らないと落とせない人だったんだって分かった。


「リリ、そろそろ戻らないと」

 そうだ!ライ兄やリコピンが準備して待っているはずだ。


「お父様達はまだ領には帰らないの?」

「リリ、私は明日、王妃様に呼ばれているの」

「え?お母様が?」

「クララベルの作ったお菓子やジャムをご所望なんだよ。あと米酒のケーキのアップルワイン版も作ったよ。お前達にも届けさせるから」

「ありがとう、お父様。楽しみにしてる。それじゃあ行くね」

 恐らく父達は明日の用事が終われば帰るのだろう。


「リリ、俺も行く。セノビックにお別れを言いたいから」

 兄と私達が厩舎に向かうとサオリが直ぐに気付いて近寄って来た。

「サオリ、また会えたね。ご機嫌そうだけど今日、来たんじゃないの?疲れてない?」


「リリ、実は父さんがサオリ達に回復魔法かけてくれたんだ。だから大人しいんだよ。やっぱり回復魔法を使えないとサオリは懐いてくれないんだな」

 ナル兄ちゃんはそう言うけど、それはきっとサオリにしか分からない。


 ザック殿下はセノビックに近寄って挨拶をして尋ねる。

「セノビック、俺を乗せてくれるかい?」

 セノビックはご機嫌そうに鼻を鳴らして、ザック殿下に頭を擦り付けた。

 その様子を見ていた兄は何だか寂しそうだ。

「セノビック、また俺の所にも会いに来てくれよ」

 兄はそう言って屋敷の中に戻って行った。


 サオリ達に鞍を取り付けて屋敷の門まで行くと、ちょうど爺様と婆様が馬車で帰って来たところだった。

「爺様、婆様!また子爵領にも行くからね!」と声を掛けると「待っているわね」と二人が窓から手を振ってくれた。

 良かった帰る前に二人の顔を見れて。


 リリベルはザック殿下と共に白馬達を王城に向けて走らせた。

 もう帰る場所が王城なんだなと思うと何だか少し複雑な気持ちになる。でも子爵領だって帰る場所に変わりない。

 リリベルは帰る場所が増えただけだ!そう自分に言い聞かせて気持ちを切り替えた。


 王城に到着すると門の所で待っていた近衛騎士の誘導で城内に入る。なるべく人通りの少ない場所を選んで厩舎に向かっているようだ。お陰でスムーズに王子宮の厩舎に着いた。

 厩舎につながる馬場は王太子宮と共用らしいが、馬達もザック殿下と王太子殿下で共有していたので問題ないと聞いた。

 今は国王陛下の厩舎に殿下達の馬がお邪魔しているそうだ。

 ちなみに王女宮と王妃宮には厩舎はない。あとは来賓、来客用と各騎士団の厩舎が王城内にはある。


 それにしてもしばらくは、朝から馬達の世話も日課になりそうだ。サオリ達はきっとリリベルとザック殿下を迎えに来たんだと思うけど…だけど、そうしたら新婚旅行は二人だけで行く事になる。

 それって許されるの?!

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