表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/35

17

「明日、東に向かいます。事前に確認した通りのルートで向かいます」

 と伝令鳥を送っておいた。


 今日は明日の出発に備えて準備をしている。

 王族の皆様に挨拶したり、北から西へのお土産を送ってもらったり、後は装備や服装、持ち物なども見知らぬ土地を行くので念入りに確認しておく。


 本当はサオリ達が王都の道を飛ばしても大丈夫なように夜間に出ようかと思ったのだが、明日の早朝の1時間、王都の道に交通規制をかけてくれると言うのだ。

 そんな事までしなくてもと思ったが、北の国民はスネイプニルに慣れているので白馬が走り抜ける為だと聞くと、むしろその姿を見に沿道に出てくるそうだ。


 スネイプニルだと1時間もあれば王都を抜けるので、そんなに迷惑にもならないし、駆け抜けて行った後は規制も直ぐに解除されるので1時間全く通れない訳でもないらしい。


 北の旅では私達にとって新たな発見も出会いも沢山あって、とても貴重な時間を過ごせたと思う。次はいつ訪問できるのか?機会すらも無いかもしれないが、陛下だけはこれまで通りにフラッと西に来て、どこかで会える気がして止まない。

 翌朝、出発する時に伝令鳥が戻って来て「気を付けて行けよ」と言った。


 乗馬服に身を包み準備を済ませて王城のロビーに降りると、既に厩番に連れられたサオリとセノビックが準備万端で待っていた。


「おはようサオリ。また宜しくね」

 と挨拶していると陛下や王太子殿下、王妃様方も朝早いのにお見送りに来て下さった。

 そして驚いたのは「わも東に一緒さえぐ事になった」とマックス殿下もマラサダを連れていらっしゃったのだ。


「ええっ!いいのですか?」

 彼はスネイプニルを訓練させなきゃいけない重要な王族なのでは?と思ったのだが、スネイプニルは騎馬隊長の兄王子もいらっしゃるから大丈夫なのだと仰った。

 そう言えば隊長様にもご挨拶したかもしれない。


「こいづば道案内さ使ってぐれ。あとこいづにリズベットの縁談さ任せたはんで」

 と王太子殿下が仰る。

 リズベット王女の絵姿はマックス殿下が持たされたらしい。


「青のルートではありませんが宜しくお願いします」と言うと「帰りは青のルート通るはんで」と仰った。

 やっぱり諦めてなかったのね。だけど東まで土地勘のある方が一緒だというのは心強い。

 ザック殿下も少し旅に対する緊張が緩んだようでホッとされた様子だった。


 行く前にマックス殿下がサオリに話し掛けている。

 どうやら道を説明しているようだ。もしかしてサオリはまた独走するのだろうか?


「リリちゃん。次に来たらノースポールを案内するよ」

 絶対行かない。

「ハハハ。そうか。でも君の爺様に会ったら、ミカンの丸飲みに注意するように言っといて。似ているから彼もいずれするかもしれない」

 それは言っておかないと!

「ありがとうございました」

 リリベルはそう言ってサオリに跨がる。


 王城を皆に見送られて出発する。

 規制された王都の道を3頭で順調に走って行く。マックス殿下がいてもサオリが先頭だ。出来ればマックス殿下に先導してもらいたいのだけど…きっとサオリが誰かの後ろに付くことは無いのだろう。

 ん?マックス殿下がサオリに乗れば良かったんじゃない?後で提案してみよう。


 朝も早いのに沿道にはスネイプニルを見に人が集まっている。

 まだそこまでスピードが出ていないので周囲を見る余裕がある。子供達が皆、キラキラした目で見ている。やはり白馬達は憧れなんだね。でもとっても危ないお馬さん達なんだよ?知ってるか。と思いながら北の王都の街を東に向け進んで行くのだった。


◇◆◇◆


「母上、西の第三王子達は今朝、旅立ちましたよ」

「そう」

「その絵、ここに飾ったのですね」

「ほんにめんけぇわ。二人ども」

 西から送られてきた物は結婚式の引き出物と絵画だった。


 それはウエディングドレス姿のリリベルとドレスとお揃いの正装をまとったアイザックが並ぶ絵姿だった。

 式に参加しなかった外国用に用意された物なのだろう。


 他国の王族であるのに母はかなりお気に召したようで、自分が普段過ごす私室に飾っていた。まあ自分も王城に飾りたかったのだが、絵は一つしか無かったので母に譲った。また前侯爵にでも頼めば直ぐに送ってくるだろうが。


「二人だげで行かせだの?」

「王子ば一人づげだよ」

「マキシマム?」

「マキシミリオンだや。あだがマキシマムって言うだはんで本人まで本名間違ぇとるし」

「…やっぱすあの子…妹入ってら」

 女神は名前の件はスルーして、しばらく二人の絵を眺めていた。


 王都を出るとサオリは本来のスピードモードに入った。

 せっかくの北の国の景色もこうなると全く見えない。だが仕方がない。今回の旅は時間重視なのだ。後続が着いて来ているのかすら分からないのも毎度の事だ。

 リリベルはただ風魔法を発動してサオリにしがみ付くだけだ。


 サオリがスピードを落とすと休憩なのね?と分かる。

 リリベルが周囲を見渡すと大きな湖があって白鳥の群がいるのが見えた。

 子爵領の湖にも北に戻る白鳥がたまに降りてくる。だけどあんなに見るのは初めてだ。しかもツルまでいる。

「白鳥綺麗だねぇ。サオリ、もしかしてこれを見せてくれたの?」

と聞いていると、マラサダとセノビックが到着した。


 そう言えばマラサダは初めましてだ。

 セノビックと同じくらい体格の良い牡馬で確かにパワーがありそうだ。挨拶しようとすると鼻息荒く少し威嚇された。

「こいづが一番、気性が荒ぇはんで気ぃ付げで…「バナナ食べる?」

 マラサダも即陥落した。


 後はたくさん褒めちぎっておいたら、あっという間に懐いてきた。

 スネイプニルとは意外と単純なのかもしれない。

 リリベルはそう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ