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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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 ベッドに横になっても、まだ隣で目を開けてボーっと天井を見ているザック殿下が気になって声を掛ける。

「殿下?さっきから何か考えておいでですよね?どうしたんですか?」


「今日、陛下達の話を聞いた時に思ったんだけど、聖騎士になる者の魔法属性が変わったり、西の民が他国の遺伝の影響を受けやすいかもしれないとか、外から見ないと分からない自国の不思議って結構あるんだなって」

「そうですねぇ」

 私もそう思うけど、でもザック殿下はそれだけじゃない憂いがありそうなんだけど?


「これは…本当は君に言うべきではないと思っていたんだけど、やはり…」

 と殿下は重い口を開き出した。

「聖女の妊娠に関する秘技の話なんだが…」

「もしかして一度で妊娠するっていう?」

「そう、それなんだ。その秘技って実は母親が子供の容姿を決められるらしいんだ。もちろん自分か相手に限定されるんだけど」


「なるほど。カテリーナ様も王妃様似ですし、ラント様が金髪で緑眼な訳ですね」

「あまり驚かないんだな?」

「ん〜だって秘技と言われるくらいですし、ただ一回だけで妊娠できるだけなら、そう大した秘技とは言い難いかと。生理日から妊娠しやすい日を割り出せばいいですから」

 何なら大神殿には不妊を研究し治療する神官様もいらっしゃるし、リリベルは薬事室でその仕事の神官様に何人もお会いしている。


「女性からすると、そんなもんか?だけど俺、聖女殿からこの話を聞いた時、驚いたんだ」

「もしかしたら姉が、私が私に似た子を産んだら父親は殿下でなくとも分からないとか言いましたか?」

 ザック殿下は図星だったのか絶句している。


 やっぱりそうか。姉なら言いかねないなと思う。

 王族に嫁いだ私を心配してくれているのだ。だけどそんな事を今から気にしていたのか?


「俺、君に見限られないように頑張るよ」

 そう言ってザック殿下は私に背を向けて寝の体勢に入った。

 リリベルは殿下のその様子に違和感を感じて、ふと頭を上げると枕が“NO”になっていた…。


 この枕で意思表示するつもりは無かったんだけどな…たまたまなのに気にしたのかな?

 ザック殿下は意外なところでデリケートだったりする。

「まあいいか」と思ってリリベルも寝ようと思ったけど、自分もやっぱり放っておけない性分だ。

 今日はリリベルからいく事にする。


 腕を伸ばしてザック殿下を後ろから抱き締める。

 うん温かい。このままでも心地良く眠れそう〜と眠りかけたところで体勢が逆転した。

 殿下の腕にしっかり抱き込まれている。いつもの体勢だな。


「君に触れていたら手を出さずにはいられない…」

 ザック殿下が小さな声で呟く。

「何をためらう事が?もう夫婦なのに」

「枕…」やっぱりか。


「たまたまですよ」

「昨晩のYESも?」あ…そこも気にしてたんだ。

 男って本当にしょうもない。

 “YES”も、たまたまだけど今は必要なウソか。

「それはYES…」と言った途端に唇を塞がれた。

 新婚さんですから当然だ。


 翌日はザック殿下の希望でスネイプニルの騎馬隊本部を見学しに行った。しかし騎馬隊の王城での常駐は常時10名くらいで、残りは公休や任務でお城を離れていたりするそうだ。

 だからそんな中、国境で私達の出迎えと警護で10名も派遣してくださった事は破格の出迎えなんだという事が分かった。


 本部を案内して下さったのは何番目かは分からないが王子殿下でお名前を“マキシマム様”と仰る、騎士団の一員の方だった。

 マキシマム王子殿下は「マックスでいじゃ」と仰り、無口だけどキラキラの金髪に青色の瞳のイケメン王子様だった。


 彼もどのスネイプニルにも乗れるそうで、決まった馬はいないから必要な時は、その時、暇そうな馬に乗るらしい。意外と適当だった。

 だから彼は普段は主に仔馬の訓練担当をしていると仰っていた。

 今は妊娠中の馬が何頭かいて訓練中以外の仔馬はいないそうだが、リリベルはずっと気になっていた事を聞いてみた。


「子爵家に送られた牝馬は貴重な馬だったのではないのですか?」

 王子殿下は一瞬、考えて少し気まずそうに仰った。

「教育はすたが規定満ださね馬達であったはんで大丈夫だ」と。


 王子殿下が仰るにはスネイプニルから産まれる馬が全て、スネイプニルと認められるとは限らないそうだ。どうも厳しい基準があるようだ。

 ちなみにサオリやセノビック、タナカらは決まった乗り手のいない馬なんだそうだ。そういう馬を王族達が乗るのだそうだ。

 そうかなるほどね。 

 あまり尋ねると極秘情報になりそうだったので、その辺で止めておいた。


 私達はお礼を言ってサオリやセノビックの顔を見て帰ろうと厩舎に寄ると、私達を見つけたタナカがザック殿下に走って来た。そして何かを頼むように頭を擦り付けている。

「おっ?タナカだろ?どうしたんだ?」

 ザック殿下が狼狽えている。でもリリベルには何だか分かった。


「ザック殿下、タナカは水遊びしたいって言っているみたいです」

 ラント様が南でよく水遊びさせていた。多分、あれからタナカは水遊びを覚えたんだ。そして短い期間だったけどザック殿下が水属性なのをちゃんと覚えていたのね。


 そしてサオリはお出掛け中だった。ここでもすごく自由なんだね。

 ザック殿下がタナカとセノビックに水を出して遊ばせていると「そった馬達初めで見だ」とマックス王子殿下が仰った。

 それから北でも春から夏にかけてスネイプニル達が水遊びをするのが日課になったという。

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