策にハマったのは ~レブランドSide~
そこへバイロンがやってきて、耳打ちをしてくる。
「閣下、イズマーニ様から連絡が」
「分かった」
思ったより早かったな。
例の件が終わったのだろう。
「カタリナ、少しホールを出る。ここで待っていてくれ」
「分かりましたわ」
「すまないな」
実に離れがたい……しかしまずはイズマーニからの連絡を聞かなくては。
バイロンの後に続き、私はホールを後にした。
「団長は奥様に弱いですね~~」
ホールから少し離れた中庭で、バイロンがニヤニヤしながらからかってくる。
まったく、騎士団のメンバーは皆面白がっているな。
「妻に弱くて何が悪い」
「いいえ~~お熱くて何よりです」
「それよりもイズマーニからの報告だ」
「はい。これを」
バイロンが小さな書簡を私に渡してくる。
『侍女は捕縛しました』
端的に書いてあるが、どうやらハマったようだな。
「さすがイズマーニ様!」
「そうだな。イズマーニなら失敗する事はあるまい」
「ダミーのアルジェール様に引っ掛かってくれたんですね~~」
「ああ。本物は私達の寝室に眠っている。扉には鍵もかかっているので安全だ」
今夜はオーリンとイズマーニだけに頼み、アルジェールを私たちの寝室に寝かせてくれと頼んだ。
そして私が用意した大きなぬいぐるみをダミーとして子供部屋のベッドに寝かせ、殿下から頂戴した宝剣を一緒に置いた。
ドルチェはいつも通り子供部屋で眠っているので、ダミーだとは思わずに入り込んだのだろう。
暗がりで顔も見えないだろうに、ぬいぐるみを攻撃したに違いない。
帰ったらイズマーニとオーリンに詳細を確認するとしようか。
これで邸の方は大丈夫だ。
「カタリナ様の評判も良さそうですね!」
「そうだな。ヴェローナの動きだけ気になるが……」
そこまで話したところで、王太子殿下がこちらにやってくるのが見える。
これから舞踏会に顔を出すのだろう。
「レブランドじゃないか。バイロンも。二人で密会か?」
「やだな~~私はそっちではありませんよ」
「なっ!私だってそうだ!」
「はははっ。相変わらず面白い男だな」
「殿下、先日は息子へのプレゼント、感謝いたします」
「ああ、気にするな。アルジェールも気に入っているか?」
「もちろんです!寝る時までベッドに置いておくほど気に入っております」
「それは良かった。夫人はホールか?」
「はい」
「では共にホールに参ろう」
「「はっ!」」
我々は殿下と共にホールへと戻って行った。
しかし、ホールには妻の姿が見られない。
カタリナと仲の良い夫人達を見かけたので彼女の行方を聞いてみると、騎士が殿下が話があると連れて行ったという。
「レブランド、私は呼んではおらんぞ」
「まさか……!!」
すぐにその場をあとにし、ホールを飛び出した。
騎士が連れ出した、だと?!まさか騎士団の中にも裏切り者が?
殿下は騒ぎにならないようにホールで皆を接待すると言い、バイロンが私と反対の棟を探しに行ってくれた。
仲間内に裏切り者がいたとは……!
無事である事を祈りながら王宮内を隈なく探していく。
しかし懸命の捜索も虚しく、なかなかカタリナへはたどり着かない。
この王宮は三階建てで、部屋も沢山ある。
もしかしたら王宮外へ連れ去られたのではという可能性も頭をかすめた。
そして最後の最後、三階の一番奥……王宮図書館に近い客間の扉に近付くと、中から甲高い笑い声が…………ここにいる……!!
確信し、扉を力の限り蹴破る。
するとそこには、数人の男共に押さえつけられているカタリナと、それを歪んだ笑みを浮かべて楽しんでいるヴェローナの姿が目に飛び込んでくる。
すぐに剣を抜き、柄を握る手に力を込めた。
「私の妻に何をしている……!!!」
一人残らず切り刻んでやる――――
私の中に、一切の躊躇いはなかった。
~・~・~・~・~
最終話まで一日二話(10時と16時)更新していきます!^^
残り4話なのであと二日で完結です~~よろしくお願いいたします!<(_ _)>
こちらの作品に興味を持って読んでくださり、ありがとうございます^^
もし続きが気になったり、気に入って下されば、ブクマ、★応援、いいねなど頂けましたら励みになります(*´ω`*)
皆さまのお目に留まる機会が増えれば嬉しいです^^
まだまだ続きますので、最後までお付き合い頂ければ幸いですm(__)m




