親心 ~レブランドSide~
本日10時と14時にレブランドSideを更新!
よろしくお願いいたします~~<(_ _)>
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王宮で舞踏会が開かれる日――――
私はカタリナのドレスアップした姿を早く見たくて、ソワソワしながらエントランスホールで待っていた。
彼女の魅力はどんな姿でも変わらないと思いつつ、美しく着飾ると女神のようになる事も知っている。
そんな彼女の姿を想像していると、イズマーニからツッコみが入る。
「団長、落ち着いてください。もうすぐ下りてきますから」
「む……そうなのだが、早く見たいのだ」
「夫婦として暮らしているのに、まだそのような事を仰っているのですか?」
隣りに立つイズマーニがかなり呆れながら、ため息を吐いた。
まだ愛する者がいないお前には分からないだろうな……この気持ちが。
「夫婦になろうとも、この気持ちが落ち着く事はない」
「ええ、そうでしょうとも」
「む……それよりも今夜は頼んだぞ」
「承知しております」
「恐らく今夜、我々がいなくなれば行動に出るはずだ」
私は彼とオーリンだけに、アルジェールを狙う犯人をあぶり出す事を伝えていた。
ロッジェから公爵邸に戻ってからの日々は夢のようで、家族が増えて浮かれていたが、アルジェールを狙う者の存在を感じ、浮かれてばかりもいられない。
未だに誰がやったのか分からず仕舞いだが、今夜動く可能性が高いだろう。
だからこそあえて出席する事にしたのだ。
イズマーニがいればすぐに捕まえる事が出来るだろうが。
こんなやり取りをしているが、我が国で私とほぼ互角に戦えるのはイズマーニしかいない。
「きっとオーリンもドルチェも頑張ってくれるはずだ」
「事が済みましたら連絡いたします」
「すまないな。王宮の警護の指揮はいつもお前だったのだが、今日はバイロンにしてしまって」
「いえ。アイツも次期副騎士団長候補として、いい経験になるでしょうから」
「そうだな」
バイロンは第一騎士団隊長としてロッジェに行く時も陣頭指揮を執り、なかなかに優秀な男だった。
アルジェールの一件があって以降、邸の警護も第一騎士団を使わせてもらい、度々邸にも顔を出している。
おチャラけた部分もあるが、将来有望だ。
いずれイズマーニに騎士団長に就いてもらい、私は騎士団長を辞する事を考えていた。
近頃は家族のそばにいたい気持ちが強くなり、騎士団と公爵としての仕事の両立はなかなかに難しい。
二人で騎士団を支えてくれれば、私の肩の荷も下りるというもの。
そんな事を話している内に準備が終わった愛する妻が、アルジェールとドルチェに続いて下りてくる。
一瞬見惚れてしまったが慌てて駆け寄り、手を差し出した。
「カタリナ、なんて素晴らしいんだ」
陳腐な言葉しか出てこない……もっといい言葉をかけてやりたかった。
しかしそんな私にカタリナが穏やかな笑みを向けてくるので、色々とどうでもよくなり、私たちは王宮へと出発していった。
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王宮に着いて早々ヴェローナが現れ、なんとも小賢しい挨拶をしてきた。
全く反省の色が見られない彼女をカタリナから引きはがしたかったが、人の目が多い事から乱暴な行動はグッと堪える。
妻は久しぶりに夜会に参加したので周りもカタリナの反応を見ている者もいて、悪い印象を持たせたくはなかった。
ヴェローナがカタリナの周りをウロウロしているのを見て、何か企んでいる事だけは伝わってくる。
しかしそんな娘に振り回されている両親には、同情の気持ちが湧いてきてしまうのだった。
「閣下、カタリナ様!今日は娘のご無礼をお詫びに参りました!」
「ザックハート伯爵か。夫人まで」
夫人は随分やつれたな……年齢よりも年老いて見えてしまうのは、きっとその身に刻まれた苦労が物語っているのだろう。
伯爵は私の要求にきちんと応えてくれていたので、ヴェローナの件は本人の責任だと思っているが、他家に迷惑を掛けている以上、親としての心労は計り知れないだろう。
「カタリナ様っ、娘が本当に失礼な事を……辛い想いをさせてしまって申し訳なくて……」
涙ながらに頭を下げる姿に、優しいカタリナは一生懸命励ましている。
アルジェールの事を思い出しているのだろうか。
息子がそのような事をするとは思えないが……もし万が一、そのような事が起こった場合、我々ならどうしただろうか。
自分達も親として、とても考えさせられる一件になるのだった。
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