私のヒーロー
少し緊迫したお話が続きます!
お付き合いいただければ嬉しいです<(_ _)>
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「あなたと二人だけでお話をしてみたかったのよ」
「私と?」
本当にそれだけとは思えない。
何か思惑があるはず……でも今は話をするしかなさそうね。
私はチラリと私を連れて来た騎士の方に視線を移した。
でもまるで動く気配がない……彼も加担しているという事?
疑問に思う私の方へヴェローナ様はゆっくりと近付き、扇を向けた。
「ねぇ、カタリナ様。あなたどうやってレブランドを誘惑したの?」
「え……?」
「だって、あなたみたいな冴えない王女をレブランドが選ぶなんて思えないもの」
どうしてわざわざそんな事を言われなくてはならないのだろう。
私だって、なぜ彼のような素敵な男性が私を選んでくれたのか分からないけれど……でもそれを言ってしまえば、愛していると言ってくださるレブランド様を否定する事になる。
「ヴェローナ様の質問の答えになるかは分かりませんが、旦那様は(あなたから見て)冴えない私を大切にしてくれる素晴らしいお方です。そんなお方と結婚出来て幸せだと思っていますわ」
満面の笑みで答えた。
私の言葉に彼女の顔がどんどん歪んでいく。
「レブランドが素晴らしいなんて分かってる!!その彼があなたを選ぶなんて間違っているって言ってるのよ!」
「それは旦那様を否定する事になりませんか?」
「あなたなんかと結婚しているから、レブランドが否定される事になるんじゃない!」
「でも旦那様は私を愛していると……」
「うるさい!!!旦那様、旦那様、旦那様って…………そう呼ぶのは私だったはずなのに!!」
ヴェローナ様のお顔は貴族女性とは思えないほど醜く歪み、私に対して深い憎しみの目を向けていた。
それほどまでにレブランド様を……でも私だって彼の事をとても愛しているし、彼への愛なら誰にも負けないわ。
でもそれよりも――――
「ヴェローナ様、ご両親が私達に頭を下げに参りましたのよ。もうこんな事はやめましょう?」
「お父様とお母様が……?」
「そうよ。あなたの事をとても心配していらっしゃるの。あんなに素晴らしいご両親をお持ちなのだから、心配させる事は……」
「ふん、両親は家が大事なだけよ。レブランドとの婚約がダメになってから、家の為の縁談話を次々と寄越して」
「それはあなたの事が心配だからこそ……」
「もういいわ。くだらないお喋りをする為にここにいるわけじゃないの。入りなさい!」
彼女の一声で、部屋の奥の扉から、数名の男性が入ってきた。
「なに、ご……と……」
声を発しようとした瞬間目の前がぐらつき、膝から頽れてしまう。
なに……?突然の眠気が…………。
「なにをしたの……?!」
「ようやく効いてきたのね。安心して、毒ではないわ。睡眠薬よ」
「な、ぜ…………」
まさかこのお茶に入っていたというの?!
テーブルに手を着いた衝撃でカップが床に落ち、砕け散った。
迂闊だったわ……疑いもせずに飲んでしまうなんて――――
「あなたは今からここの男性達と関係を持って、不貞を働く女になるのよ。裏切られたレブランドを私が慰めるというわけ」
「そんな、こ、と……させない……!!」
「あははっ!無駄よ!安心して、眠っている間に全て終わってるから!それに今頃、あなたの子供もお亡くなりになっている頃だと思うわ」
そんな…………やっぱり邸での出来事はヴェローナ様が?
レブランド様は自分に考えがあると仰っていたのだから、アルジェールは大丈夫よ!
なんとか意識を保たないと……!
眠ってはダメ…………抗おうとするのに瞼が下がってきてしまう。
眠るもんか!絶対に、眠っては、だめ……!
私は床に散らばったカップの破片を咄嗟に握り締めた。
なんとか痛みで、意識を保つのよ!
強く強く握り締めた両手から血が滲んでいく。
そしてグッタリと項垂れる私を数人の男性が床に抑えつける。
その中には私を案内した騎士もいて……やはり最初からグルだったというわけね。
レブランド様が知ったら深く傷つくに違いない。
自分の騎士団の中に裏切り者がいたなんて……ヴェローナ様もレブランド様を愛しているはずなのに、愛する人になんて残酷な事をするのだろうか。
「や、めて……っ!!」
「うふふっ。まだ意識があるの?でもそうね……意識を保ったままも面白いかもしれないわね。あっはははっ!!!」
彼女の甲高い笑い声が室内に響き渡っていく。
レブランド様――――――――
心の中で、力の限り旦那様の名を呼んだ。
次の瞬間。
扉が勢いよく蹴破られ、そこには鬼の形相のレブランド様が立っていたのだった。
そして剣を抜き、室内を一瞥する。
「私の妻に何をしている!!!!」
初めて見る鬼神の表情……彼の怒号が響き渡り、ヴェローナ様も男性たちも微動だにせず、ただ固まっていた。
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次回からレブランドSideが2話ほど続きます~~よろしくお願いいたします!<(_ _)>
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