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反撃

ファルマ王は来た早々、王様に抗議をしていた。

カタリナとリディアナ、王妃は部屋の外で待っていた。

「ソルマ王女を出さないといけないわね」

カタリナは呟く。

リディアナも大きく頷いた。

そばにいた王妃がカタリナの言葉を聞いて言う。

「それは、私が何とかするわ」

そう言って王の部屋に行く。

カタリナとリディアナは二人で王様の執務室の前で待っていた。

すると、怒鳴り声と共にファルマ王が出て来た。

「姫は皇太子に乱暴をされたんだ。その責任をとってもらわないと!」

ファルマ王は怒りに任せて周囲に当たり散らしている。

「では、わが国の貴族達の前で何があったのか証明してもらいましょう。それで貴族達の理解が得られたら、皇太子妃になってもらうのはどうでしょうか」

王妃が提案をするとファルマ王は納得してすぐ、貴族達を召集するよう要請した。

王は渋々その要請をのんでそばにいた騎士に伝えた。

それを見ていたカタリナとリディアナは早速準備に取り掛かる。

翌日、緊急召集した貴族達が大広間に集まった。

貴族達と王様、皇太子と王妃様にファルマ王と証言者としてソルマ王女とカタリナ、リディアナも出席した。

ファルマ王は皇太子にソルマ王女が乱暴されたと訴え、責任をとるよう言う。

ソルマ王女も皇太子に乱暴をされたと涙ながらに訴える。

貴族達は皇太子がそんな人物でないとわかっているが王女が言うのならと疑惑の目で見る。

そこで王妃は皇太子がやっていない証拠があると言う。カタリナとリディアナは水晶を持ってきた。

リディアナが広間にいる全員に見える様に映像を映し出す。

そこには、ソルマ王女が魔法使いにワインに魔法をかけさせる様子から皇太子に魔法がかかったワインを飲ませる様子に、ファルマから連れて来ている侍女達や子爵令嬢と口裏合わせをしている様子まで映し出されていた。

集まった貴族達はざわつき始める。

「嘘よ!こんなのわが国が不利になる様に仕向けられたのよ」

ソルマ王女が叫ぶ。

「では、証明してもらいましょうか」

カタリナがそう言って待機してもらっていた大魔法師を呼んだ。

「大魔法師様、この水晶は真実のみ写し出していますか?」

カタリナが聞く。

「はい。この水晶に誰かの思惑も何も有りません。真実のみが映し出される様になっています」

大魔法師の証言に安堵のため息が貴族達から聞こえてきた。

ソルマ王女は真っ赤な顔をしてカタリナの睨みつけてきた。

ファルマ王はソルマ王女を見つめている。

「ファルマ王よ。王女の捏造だと証明されたけど、どうするつもりか?」

「捏造ではありません。誰かの罠です!」

ファルマ王は必死に訴える。だが、王様はもはや、その言葉を信じる事は出来ないようだ。

「まだ、証拠はあるがどうする?」

「王女は何も悪くない」

王様が聞くがファルマ王は納得していない。

王様が合図すると警備兵が連れて来た侍女達が証言した。

「皇太子様が酔い潰れたのを確認してソルマ王女はご自分でドレスを引き裂きました」

集まった貴族達の視線はソルマ王女に集まる。

冷ややかな視線に晒されてながらソルマ王女はまだ、何かを確信しているようだ。

今度は皇太子の護衛が証言する。

「ソルマ王女は部屋に入ってすぐに我々護衛に全員、部屋から出るよう指示をされました。それは出来ないと言ったのですが、指示に従えないのかと暴れ出して、手がつけれない状態になり、仕方なく部屋を出ました」

「ソルマ王女に言われてワインに魔法をつけました。記憶を失くす魔法です。断ると処罰をすると言われ仕方なく魔法を施しました」

警護兵に連れて来られた魔法使いが証言する。

「ファルマ王よ、そちはまだ隠している事がある様だが、何か言う事があれば聞くぞ」

王様が言うが、ファルマ王は怒りで震えているだけで何も言う事はなかった。

「伯爵令嬢、例の物を皆に見せるように」

王様の指示にリディアナは答えた。

「はい」

リディアナは今度は別の水晶を持ってきて、先程と同じ様に広間にいる全員に見える様に映し出す。

そこには国境を超えて進入してくるファルマの国民だった。その様子は風土病患者だと一目瞭然だ。

更にはファルマの騎士団がその国民を誘導して国境を越えさせている様子や子爵家の騎士団の誘導で国内に移動する様子が映し出していた。

集まった貴族達も騒然となった。

「何かの間違いです!こんな事で疑われるのは不愉快だ」

ファルマ王が叫ぶ。

「我が家の騎士団がこんなことをするはずがない!」

子爵も反論する。

「私から一言良いですか?」

カタリナの父、侯爵が言い出す。

「私は王命で風土病の対策をしておりましたが、国境付近でファルマからの風土病患者の流入に困っていました。次々やってくる患者達はこちらの指示に従わず、薬を強奪して脱走をする者もいました。その者達はファルマの騎士団に言われたと言っていました」

広間に集まっていた貴族達がざわつき始める。

そこへ王室の騎士団の団長が表れる。

「この映像は本当にあった事です。ファルマの騎士団の誘導でファルマから風土病患者が進入して来ました。我が国に入ってからは子爵家の騎士団が誘導して国内に入って行くのを私は見ました。その者達は皆、ファルマの王命で我が国に行くように命令されたと言っていました」

その事を聞いた王は皆に告げる。

「皇太子の事は審議する必要はないな。国境付近の風土病に関しては侯爵、再調査の上、我が国が負担した金額を算出して、ファルマに請求するように。ファルマ王よ早急に支払うように。それと皇太子を欺いた罪でソルマ王女の謝罪を、要求する。子爵家については後日、言い渡す」

王様の言葉を聞いてリディアナは涙目になっていて、王妃と皇太子は安堵の表情を見せた。

その後、子爵家とファルマが結託して風土病患者を国内に入れた事が判明して子爵家が関与していた事が証明されて子爵家は爵位を剥奪、財産没収に国外追放になった。

侯爵はアデルが子爵家の事に関与しているのがわかると家門から追放を言い渡した。

カタリナは子爵家に任せていた衣料品店の後任をどうするのか悩んでいた。

カタリナは子爵家に任せていた衣料品店の資料を持ってマリベルの部屋に行った。

「マリベル、今いい?」

「どうしたの?」

マリベルはベッドで起きてはいるが、クッションを背中に置いている。

ここ数日は一日の大半をベッドで寝ていると聞いていた。

顔色は悪く無さそうに見えるがいつもと違い、つらそうだった。

「子爵家の事業をどうするか迷っているの」

カタリナが言うとマリベルは少し考える。

「家門の中に男爵がいたはずね。その者に継がせればいいわ。後、ユリアナはその男爵に嫁がせるようにするわ」

カタリナはそんなに上手くいくのかと思っていたが事業の事もユリアナの婚姻もすんなり決まった。

そんなある日、侯爵がカタリナの部屋にやってきた。

「カタリナ、ちょっと面倒なことがおきている」

侯爵は声を押さえて話す。

「アデルが公爵家の息子に何やら、やらかしているようなんだ」

「今度は何をしたのですか?」

カタリナはもう、アデルが何をやらかしても驚くことはないと思っていたが、公爵家を相手に何をしたのかと呆れてくる。

「王様はなんと?」

「まだ、なにも・・・」

カタリナは最悪の事態に備えて何か対策を考えておかないと思う。

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