表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/13

「カタリナ、大変よ」

カタリナとリディアナが一緒にいた時、王妃が慌てて部屋にやって来た。

「どうされましたか?」

カタリナが聞く。

「ソルマ王女がカタリナからワインをもらったと言っているらしいの」

「皇太子様に飲ませたワインの事ですか?」

「そう、カタリナから渡されたワインを飲んだら皇太子から乱暴をされたと」

王妃は疑惑を持ちながら話す。

「ありえません」

「大丈夫なの?」

王妃が心配そうに聞いてきた。

「皇太子様が使ったグラスは既に警護の者に調べさせて回収しています。そのグラスには魔法がかけられていたそうです」

「そうなの?」

「カタリナ様、お聞きしたいことがあります」

警護の者と一緒にやってきたのはソルマ王女だった。

「そうよ。この女が皇太子様に自分のグラスを渡していたわ」

ソルマ王女が突然騒ぎだす。

「なんのことかしら?」

カタリナが冷静に聞く。

「とぼけないで!」

「私のグラスはここにあるわ」

カタリナが自分のドレスのポケットの中からグラスを出す。

「違うわ、その隣にいる女よ」

ソルマ王女は今度はリディアナを指して言う。

「あら?残念ね、私は今、来たところよ」

リディアナは笑みを浮かべて言うとソルマ王女の顔が硬直した。リディアナがパーティーや皇太子主催の晩餐会にいなかったことは警護の者達も全員知っている。その為、警護の者達の冷やかな視線がソルマ王女に向けられる。

「今度は誰に罪を着せるつもりかしら?」

リディアナが更にソルマ王女を追い詰める。

「ソルマ王女、このグラスに見覚えはないですか?」

カタリナは警護が出してきたグラスを見せる。

「そうよ!このグラスよ」

ソルマ王女が叫ぶ。

「間違いないですか?」

「間違いないわ」

カタリナが聞くとソルマ王女は、はっきり言った。

「このグラスには魔法がかけられていました」

カタリナが告げる。

「やっぱりそうよね。貴方の側にいた女が持って来たのよ」

ソルマ王女はまだ誰かに罪をきせようと画策している。

「このグラスに魔法をかけた魔法使いを捕まえました。その魔法使いはファルマの魔法使いで話を聞くとソルマ王女に頼まれたと言っています」

カタリナが告げるとソルマ王女は顔を真っ赤にして怒り出した。

「そんなのウソよ! 誰かが私に罪を着せようとしているのよ。お父様に言いつけるわ」

「どうぞ。こちらにも考えがあります。例えば風土病の事とか」

カタリナは追い討ちをかけた。

これにはソルマ王女も心当たりがあるようで急におとなしくなった。

警備兵達も困り果てた為、王妃は侍女を呼んでソルマ王女を部屋に連れて行くよう指示を出した。

王はソルマ王女の滞在の許可をだし、今回のことが収束するまで皇太子の謹慎を言い渡した。

カタリナはリディアナと部屋に残り話をしていると王妃がやってきた。

「カタリナ、大丈夫かしら」

王妃は心配そうに聞いてくる。

「とりあえず、向こうの出方を待ちます。そのうえで此方も反撃しますよ」

カタリナが言う。

「我が家は証拠を出せます」

リディアナがはっきり言うが王妃は心配なのだろ。

不安そうにしていた。

王妃が帰った後、カタリナとリディアナはマリベルからの手紙を読み返した。

「この手紙の内容からだとやる事が多そうね」

リディアナが言う。

カタリナはそのやる事を書き出した。

「やらなければいけない事と対策ね」

リディアナが言う。

翌日、ファルマの王からの親書が届けられた。

その内容は皇太子が乱暴を働いたことの償いの為王女を皇太子妃にするようにとあった。

「王様、皇太子が王女に乱暴したと言うのは罠です。皇太子は決してその様な事をするような人ではありません」

王妃は必死に訴える。

「王妃よ、私もそう考えているが王女が乱暴されたと言っているのだ。その事はどうする?」

王妃は反論出来なくて言葉を失った。

王妃はカタリナとリディアナがいる部屋にやって来た。

「カタリナ、どうしたらいいの?」

「王妃様、少しお待ちください」

カタリナとリディアナは水晶に映っている人物全員から証言をとり虚偽がないかを確かめた事を伝えた。

「それじゃあ、ソルマ王女が嘘を言っているのを証明出来るのね」

「はい!」

更にわかったことは子爵令嬢が計画と違うことを言い出したのでファルマの侍女たちは口を噤んでしまった事もわかっている。

そして、子爵令嬢は初めからあの部屋にいなかったことを白状した。

ファルマの侍女達はこの計画が上手くいけば皇太子妃の侍女として高待遇で雇ってくれるとソルマ王女から言われていると言った。しかし、侍女たちは嘘がばれた時が怖くなり協力する事を躊躇っていたと言った。

皇太子の護衛からも話を聞いた。

ソルマ王女は部屋に入ると護衛と侍女を全て部屋から出て行くように言ったらしい。

カタリナとリディアナはソルマ王女の行動を全て調べて証言を取った。

王妃にその事を告げると少し安心したのか、カタリナとリディアナにお礼を言って部屋から出ていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ