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異変

「確かに飲んだはずなのに何ともない」

(この毒に耐性があったのか?とにかく母さんから毒を吸い出さなきゃ!)

しかし、何度か血を吸い出した雪に異変が起きた。

ズキンズキン、ズキンズキンズキン!

「なん、だ!?頭が割れるッいや、身体中が痛いッ!はあはあ、血を吸い出さなきゃ」

それでも血を吸い出そうとする雪も耐えかねて地面に横たわる。

「ごめん、母さん。助けられなかった、ごめん父さん、ごめん司、綾また会うって約束守れそうにない」

そう言い残し雪も意識を手放した。


秋視点


「クソッなんであの二人が行った場所に魔物が出たんだ!」

「秋隊長、後少しで現場に着きます!」

「わかった、俺は妻と息子を探した後合流する!各隊散開し、魔物の討伐に当たれ!」

「了解」

何故、秋が隊長と呼ばれるのか、それは秋の職業が魔防隊の隊員、それも魔物殲滅部隊の隊長だったからである。

「これはまだ子供たちには見せたことなかったな」

そういうと秋は全身に魔力を纏うと耳の少し上から後ろに向けて反るようにツノを生やした。

それはまるで鬼というより悪魔のようであった。

「ッ!あっちで紅の魔力を感じる!」

能力を使ったことで感知範囲が広がった事で紅の使った【鮮血監獄】の魔力を感じ取った秋は急いで走り出す。しかし、

「紅の魔力が消えた?まずいことになってそうだ。急がなければ」

そうして、紅の魔力反応があった場所に到着した秋が見た光景は半球状の血のドームに数体の魔物が攻撃している様子だった。

それを紅の能力だと考えた秋は

「俺の家族に!何したんだクソがッ【六道 滅殺地獄】!!死にさらせぇ!!」

魔物をもはや塵すら残さず消し去っていつもの飄々とした態度は憤怒に駆られた鬼の形相に変わっていた。しかし、すぐに家族のことを考えて冷静になった。

「おい、僕だ!秋だドームを開けてくれ!」

しかし、中から返事は無くふと、ある事を思い出していた。

「僕は紅さんの魔力が感じられなくなったから急いできたんだ。なのに血のドームがある。しかも、これ紅さんの魔力じゃない。誰の魔力だ?」

考えたもののなかに紅があることは確実である為中にいる二人を助けようとしたその時、まるでもう役目は無くなった事を感じたかのようにドームが無くなった。そして中から二人横たわる紅と雪を見つけのだった。

「二人とも大丈夫か!?おい!まずい意識がない。紅さんは腕に怪我してるけど雪は無傷だ。良かった。息もある」

二人の無事を確認した秋の元に部下が報告をしにやってきた。

「隊長、報告します。現在確認されている魔物の討伐を確認しました。また、飛び立つワイバーンの姿を確認したとの情報を得たため周囲を警戒中ですがどうやら近くにはいないようです。」

「了解、報告ご苦労様、僕は家族を病院に連れて行く」

「分かりました、我々はまだ避難できていないものがいないか捜索します。」

こうして突如魔物が現れるという事件は終結した。しかし、これから始まる事に比べたらまだ始まりに過ぎないことは誰も知らなかった



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