表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/143

呪いとは

昨日話した通り雪と綾は資料室に来ていた。

「ここが資料室か。でも資料長みたいな管理する人がいないのか?」

「それはね、本一冊一冊に魔力で刻印されてるからそれで管理してるんだ。もし、貸出期限や持出厳禁の本を持ってると勝手にここに戻るようになってるの。最初は警告とかお知らせ。その次が勝手に飛んでここに戻ってくるの。持出禁止に関してはここを出ると元の場所に本が転移する仕掛けになってるの。」

「なるほどなぁーって本が飛んで戻るの!?」

「うん、たまにだけどね。だからほんの交通事故もあるらしいよw」

「へぇーそれじゃ呪いについて調べようかな。どこから見ていこう?」

「あ、待ってこっちに本を検索できる端末があるからそれを使った方が早いよ!しかも読みたい本を選べば持ってきてくれるから!」

とことん便利だな、魔力。

「なら、呪いについてっと。ほんとだこっちに本が来る。ってものすごい速度で向かってきてるけどどうするの!?」

ミサイル並みの速さで飛んでくる本に驚愕していると徐々に速度が落ちて検索端末の上に浮かび上がる。

「焦ったー!取り敢えずこれで調べられる。綾はどうする?」

「私は課題があるから近くで片付けるよ。あそこに座ろう。」

そうして机に向かい合う形で座った雪と綾はお互いのするべきことに集中する。

「なになに?呪いとは何か、それは魂を犯す毒である。魂と肉体は強固な結びついている為結果的に肉体にも影響が出る場合がある。また、呪いをかける存在として魔物があるが簡単な呪いしか掛けられないため複雑な呪いとなると上位の魔物か能力で呪術を扱える人間のみである。呪いに長期間かかっている場合に起こる副作用として呪いに反発することによって魔力が増大することが確認されている。これは魂を犯す呪いに対して魂の力である魔力が反応する為である。が、増大した魔力に体が耐えられず逆に肉体を傷つけることもあると能力による呪いに違いがあるかは謎であるがどちらも魔力に反応することから魔力による魂への付与に近しいものと考えられている。かぁ。そうだ!吸血で魔力を吸ってみるのはどうだろう。もしかしたら呪いの魔力も吸えるかも!」

綾にそのことを話して銀嶺さんの元まで向かう途中窓から見えた月を見て夜まで調べ物をしていたことに気づいた。銀嶺さんの部屋について呼び鈴を鳴らす。

しかし、呼び鈴を鳴らしても銀嶺さんは出てこなかった。

「銀嶺さん。手がかり見つけたかもしれないのでお話ししに来ました!開けてください!」

(おかしい。今は夜だし寮の外に出られる時間は過ぎてる。他の人に聞いたけど風呂に行ったわけでもないらしい。)

「鍵が開いてる!入りますよー!」

申し訳ないと思いつつ部屋に入ると苦痛に耐える声が聞こえる。

「まさか!銀嶺さん!大丈夫ですか!?太もも失礼します!まずい、完成しかかってる。」

「なんで!?まだ3年くらいあるはずでしょ!?」

「わからない。けど何とかしなきゃ!綾、母さんの病院どっち!?」

「この窓の方角真っ直ぐ!でもどうするの?」

「綾には初めて見せるけど【鬼化】俺は銀嶺さん背負って行ってくる!京ちゃんに事情説明よろしく!呪いのことは伏せて!」

「間に合え!」

俺は全力で銀嶺さんに負担がかからないようにしながら走る。すぐに緊急外来の窓口が見えた。

「血桜 紅の娘です!母さんを至急呼んでください!雪が助けてと言っていたと!」

しばらくして母さんがやって来た。

「細かいことは歩きながら話す!だからこの人を助けて!」

母さんは俺と銀嶺さんを見て「分かった」とだけ言って歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ