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洗いざらい全て

「ただいまー。」


「お帰り!綾。」


「雪ちゃんー!怜の能力反則すぎたよ〜!」


「あそこまで読んでるのは本当に勘がいいと言うか度胸があると言うか。何にしても準決勝進出おめでとう、怜!」


「ありがとう!綾も本当に強かった。もし綾がアーデから加護もらっていたら手がつけられなくなっていたわよ、もらってなくてよかった。」


「綾の魔力だけでほぼアーデの加護と同等くらいに枝に魔力込めるの何なの?本当に人か?」


「人です〜!全くもう、人のことなんだと思ってるの!?」


「「バ火力」」


「殺す!!」


腐れ縁どもが弄りあっていると澪が止めに入る。


「ほら、やめやめ!私に色々教えるんじゃなかったの?色々注目集めてるから行くよ!!」


俺たちは周囲に目を向けるといろんな人が見ていることに気がついて顔が赤くなる。


「「綾が悪いけど澪がそう言うなら移動するか。」」


「ん?なにかいった?」


「「何にも?」」


「そこの漫才トリオ行きますよー?三人でいると何であんなに馬鹿になるんですかね?」


「おい、司!千奈ちゃんにああ言われたらおしまいだぞ!」


「やばい、流石にふざけすぎた!待ってくれ!」


司と雪は走って千奈ちゃん達に合流して行った。


「全く、気遣い下手すぎ。ふざけないと慰められないの?」


「綾、行こう!」


「うん、今行く!」



一行は完全個室の飲食店に行って話をすることになった。


「えぇ!?千奈、マナのこと話すの?」


「うん、澪さんにだけ話してないのも良くないと思って。」


「別に話したくないなら話さなくても良いわよ?それなりの理由があると思うから。」


「大丈夫です!澪さんは他の人には話さないと思うので!」


「そりゃあ秘密にしてくれって言われたら話さないけど・・・。」


「なので話します!怜姉も良いよね?」


「そうね、隠す必要もこのメンバーにならないもの。なら一通り話してしまいましょうか。」


怜は自身が呪いにかかっていたこと、千奈の能力について、マナスの正体。全てを澪に話した。


「衝撃すぎる話の連続だったわ・・・マナ、いえマナスだったわね。が人じゃないなんて信じられないわよ。全く気が付かなかった、それで?マナスは今も千奈ちゃんの中にいるの?」


「はい、今も回復してる所です。会話は聞いてるので話そうと思えば話せますよ。話しますか?」


「やめとく、これ以上話されても頭に入ってこないから。取り敢えず私が知らないことはもうないのよね?」


「そうなるかなー。あ、アーデのこと言ってない!」


「ああっそっか。澪ちゃんあの時いなかったもんね!」


「まだあるのぉ?もうお腹いっぱいなんだけどぉ。」


「ほらこの前司連れて出かけたって言ったでしょ。ドライアドの森に行ってたんだけどその時に仲良くなったのがドライアドのアーデなんだ。俺の雪華と。」


「私のアーデ棒がその時にもらった枝なんだ。」


「もう驚かないわ。でも一つツッコませて?アーデ棒って何?」


「そのまんまだよ?アーデからもらった枝を棒にしたからアーデ棒!良いでしょー。」


「ネーミングセンス悪すぎない?もっと何かあったでしょ!?」


「うーこの名前が可愛いのにぃ。ねぇ雪ちゃん!」


(俺に振るか!?正直どうでも良いけどこういう時どうすれば!)


「ネーミングセンスあり得ないだろ、綾。木の棒のほうがまだマシだな!昔から火力だけは人一倍あるくせに他が残念ッボグワッ」


「そういうデリカシーのないこと言ってるから緋真姉に振り向いてもらえないんだよ?」


「棒から魔法撃つなよ!?眉間狙っただろ!それに昔、虫けしかけたときに反省して辞めたよ!直ってるだろ!?」


「もう二、三発当てて直してあげるよ!言っておくけど全く直ってないから!」


二人がテーブルを挟んで今にも取っ組み合い(じゃれあい)を始めようとしていると扉を店員がノックしてくる。


「注文はお決まりでしょうかー?」


「あ、はーい!今すぐ決めます!」


俺たちはメニューを開いて急ぎ注文することにした。この店はタブレットで注文することができるので店員が来る必要はないのだが流石に話しすぎたみたいだ。


「私はこのふわふわオムライスで!」


「俺は肉だな!このステーキ頼むぜ!」


司と綾はレストランでよくありそうなメニューを選んでいた。


「私はこのDXチョコパフェとDXアップルタルトを頼むわ。」


「私もチョコパフェを頼みます!マナスも食べたいみたいなので。」


「二人で味覚共有してるんだ?」


「はい!なのでひとつだけ頼みます!」


千奈ちゃんはマナスと食べたいものを考えて決めたようだ。

にしてもDXチョコパフェって一人で食べる大きさに見えないんだけど・・・・・・食べるのか。


「私は司と同じステーキにしようかな。流石に同じ量は食べられないけど・・・。それとデザートにイチゴプリンを頼もうかな。」


「それなら私とステーキ半分にしない?私も食べたかったの。」


澪が提案してきたので了承する。

十中八九司が食べているからな気がするが。


「味の感想を言い合ってさらに仲良くなるのよ、私!」


ほらね。


そのあと運ばれてきた料理を食べながら明日のことを話していた。


「明日は俺と雪の試合が最初で明日はどうなるんだ?結果的に引き分けになったわけなんだが。」


「マナスが千奈の中で休んでいる以上私が不戦勝になりそうね。多分明日は二人の試合のみになるわ。」


「マナスも戦えないって言ってるのでもう一度戦うのは無理そうです。私も疲れてしまって戦うコンディションではないので。」


「そうか、残念。なら俺か雪のどちらかが決勝だな。怜の家で模擬戦して以来か?どっちが強くなったか試すいい機会だ。全力でこいよ?」


「もちろん!今は雪華もあるからな。負けても知らないからな。」


俺たちは注文したメニューを食べ終わったのだが怜だけがまだ食べていた。


「流石に頼みすぎたんだよ。DX二つとか・・・??あれ、パフェのグラスが三つあるように見えるんだけど?」


「雪ちゃん、あれ四つ目だよ?スゴイヨネー。」


「は!?食べ過ぎでしょ!」


そうしてみている間にみるみるグラスの中身がなくなっていった。


「ふぅ、美味しかったー!あと宇治抹茶パフェも頼もうかなぁ。」


「まだ食べるのォ!?やめとこ。ね?もうこっちが胸焼けしそうだから。」


「むーまだ食べられそうなんだけど。」


「「それ以上食べたら家族の縁切るよ。」ますよ。」


「やめとく!そ、そういえばお腹いっぱいなキガスルナー?」


「千奈ちゃんとマナスの両方に言われてやっと止まったよ。言われなかったらいくつ食べてたんだか。」


そんな事もありつつ俺たちは寮の方に戻って行った。司とは別れて寮に向かっている途中ある人物に出会った。


「「あ・・・」」


鬼灯さんだった。お互いに言いすぎた自覚があるのか言い出すタイミングを探ってまごついていた。


「雪ちゃん、こういう時こそ女は度胸!だよ。」


綾が背中を押してくれて鬼灯さんに謝る。


「この前はごめんなさい!事情も知らないのに踏み込みすぎました!」


「こちらこそごめん。せっかく聞いてくれたのに怒ってしまった。謝らないで、悪いのは僕だから。」


「そんな事。私こそ無神経に言ってしまったから謝りたくて。」


「なら、どっちもという事で。これからチームなんだからね。」


鬼灯さんは司にも劣らないイケメンスマイルで笑ってきた。


「はい!これからよろしくお願いします!」


「それじゃあ僕は行くね、遅くなったけど準決勝進出おめでとう。」


鬼灯さんは男子寮の方に歩いて行った。


「良かったね、仲直りできて。」


「うん、綾もありがとう。背中を押してくれなかったら言い出せなかったよ。」


俺たちも寮に向かって歩き出す。ふと澪が独り言をこぼす。


「そういえばなんであの人ここにいたのかしら。女子寮に用が無いとこの道にはいない筈なんだけど。まぁ、どうせファンクラブの子に呼び出されたりしたんでしょ。お風呂入ろうっと。」


「もう行ったかな?まさかあそこで鉢合わせるとは。でも、血桜さんと仲直りできて良かったぁ。逆ギレしちゃって申し訳なかったからな。」


そう言いながら寮に入っていく。


「あ、お風呂もう誰も入ってないから貸切だよ!」


「いつもありがとうございます。京ちゃん。」


鬼灯は寮の自分の部屋に戻っていく。


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