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1時間目

モブとは、語源は英単語のmobであり、大衆、群衆、群れ、やじ馬などの意味を持つという。


そう、私はこの世界のモブである。

乙女ゲーム『1000の言葉~お前、オレのモノになれよ』というとんでもゲームのモブである。タイトルがもうダサい。

ゲームの説明いる?あ、いるの。

顔がいい男と顔がいい女がキャッキャウフフするゲームだ。

kwsk?これ以上の説明はいらんと思う。

だって私モブだから。

モブが前世を思い出す。

色んなパターンが考えられるだろう。


突然、高熱を出し寝込んで起きる。

階段なり、馬なり木からの転落、そして寝込んで起きる。

特定の人物を見て雷が落ちたようにピシャーンとなって寝込んで起きる。


そして、目覚めて鏡を見るのだ。


「え?これって・・・?」


これまで説明した思い出しモブパターンはモブではあるのだが、ヒロインに近いモブ、悪役令嬢に近いモブ、攻略対象に近いモブ、そしてやる気のあるモブのいずれかである。

モブ界ではヒエラルキー上位種モブ、もしくは野心家モブである。鼻以外に目も口も描いてもらえるモブなのだ。


だがしかし、何事にも例外というものがあるのだ。

そう、私である。

私はモブ界の底辺モブである。

名前は、グロリア・アボット。

Gである。7番目である。

さしずめモブGと表記されるのだろう。

爵位も男爵。選ばれしモブなのだ。

いや、モブだから選ばれてはいない。

すまない、調子にのってしまった。

ちなみに私が思い出したのは、学園の外観を見た時である。


あれ?これなんか懐かしいな、あ、おまオレの学校じゃん


しかし私は慌てなかった。自分の爵位、名前容姿諸々を鑑みてよしモブだな、と認識した。

タイトルがクソダサいこのゲームだが、私はやり込んだ。

なぜなら好きな声優が中の人だったからだ。それ以外に理由などない。

ちなみに〇元〇〇さんだ。

だからと言って、攻略対象に近づいて声を聞いてやろうだとか、ゲーム知識を活かしてスチルを見てやろう、とストーキングをしたりする気はない。

モブだから目立たないようにと、やたらダサい格好するやつがいるが愚の骨頂である。

血統書付きのペルシャの中にミケの野良猫がいれば目立つだろう?

そういうことである。

また『私、モブだから』とゲームに関わろうとしないモブがいる。

モブとは野次馬の意味もあるのだ。

野次馬から一線離れてるモブ、そう孤高のモブである。

モブだと自認するならば、「きゃー」「わー」「えー?」「うそー?」等と野次馬に徹しなければいけない。

以上の事をやらかすと、モブからメインに一気にランクアップするのである。

よっ、モブ界の出世魚!ってやかましいわ。


だが、私はそんなことしない。

誇りのある鼻しか描いてもらえないモブなのだ。

野次馬にも徹する。もちろん全力でだ。

棒読みなんてとんでもない。


「お前、なんか他の奴らと違うな」


こんなこと言われてみろ。

出世街道にのってしまうのである。


「なんで私モブなのに王子に溺愛されてんの?」


なんていうモブがたまにいる。

そういうモブには隠れスキル『一級フラグ建築士』をだいたい持っている。

モブの皮を被ったメインである。


今回はモブによるモブのためのモブモブしい私の話を少し聞いてほしい。

いや、モブになりたい君は全力で聞いてほしい。

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