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そういえば、タイトルは仮なので変えるかもしれません。
たぶん、内容とあってない気がする…
前世の私は転生ものの漫画を少しだけ読んだ事があるが、だいたい都合よくその人物の名前だとか過去の思い出だとか思い出せていた。
だけど、私は全くもってなにも思い出せない。まるで私の魂がこの子に憑依したみたいに何も。
だから、この家の人と鉢合わせる前に私は色々調べなければいけないのだ…
いや、いっその事バラしちゃう?そしたら色々教えてくれるかなぁ?
うーんうーん、悩んでいたが、私はあんまり考えるのが得意じゃない。思い立ったら考えるよりも行動に移しちゃうし、大体の事を深く考えずに今まで過ごしてきた。
30歳になる少し前にこういう自分を変えようと頑張ってみた事もあったけど、変わらなかった…というか変えられなかった。
昔から頭を使って考えるよりも行動に移した方が、解決の糸口も見つかったし、大体のことが上手くいった。うん、分かっている、それをフォローしてくれる周りの人がたくさんいた事が、上手くいっていた大部分だということも。
でも、いざ自分を変えようとすると、周りの人がすごく心配そうな顔をするんだよね。
『叶は、頭で考えるよりもすぐ行動に移せるその行動力が良いんだよ。たしかに考えなきゃいけない事もあるかも知れない。けどね、考えて終わるより、行動に移せるそのフットワークの軽さが大事なの』
と、言われた事もある。
たぶん変わるための努力ですごく苦しんでいたから、その友人はそんなアドバイスをくれたんじゃないかと思っている。
そんな少し昔のことを思い出しながら、部屋の中にある机の引き出しをガサゴソと漁ったり、戸棚の中を開いて見てみたりしたけれど、なにも見つからない。
この子、日記とかつけないタイプなのかな?
私もそういうの苦手だけど…
そう思って何となしに先程のドレッサーの椅子にストンと座り、目の前の引き出しを開ける。
すると、そこには鍵付きの箱が入っていた。
なんだろ、これ。鍵、鍵、かぎ…
あちこち鍵を探すが見当たらず、上着とかのポケットとかにないかパタパタと衣服を触ってみる。
すると、一番上に羽織っていたカーディガンの胸より少し下あたりに硬い物が手に当たった。
カーディガンの表側は何の変哲もないので、内側を捲ると、その内側に無理やり縫いつけた不恰好なポケットの様な物があった。ポケットというには、だいぶ物を入れる入り口は狭いが。
その中に無理やり指をつっこむと指に硬い金属質のものが手に当たった。
それをなんとか指で掴んで取り出すと、鍵だった。
さっきの箱に掛かっていた鍵穴とも同じくらいの大きさに見える。
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