Beginning of the end
小話のタイトルって、考えるのが難しい!
……いや、いつも良いタイトルは思いつかないけど
※追記:なぜ映画と小話を書き間違えたのか…不思議ですねぇ
密集した木々に一筋の光が差した。その日溜まりで幼い少女が犬の腹を枕にして寝ている。
少女は犬の尾を時偶に引っ張るが、当の犬は一向に気にせず欠伸をした。足元まで小鳥が擦り寄り、少女は閉じていた目を開ける。
「ふわぁぁ……ふにゅ」
うつらうつらと、その頭を揺らしながら目を擦る。
「……アリア、そろそろ起きなさい。今日はお婆さんの家に行く日でしょ?」
私がその日溜まりに近づくと、小鳥たちは何処かへ飛んでゆき、アリアの微睡んだ瞳はパチリと開かれる。
「フィーちゃん、おはよー」
あどけない笑顔を晒す彼女の横に座り、彼女を見守ってくれた犬・カーメルの顎下を撫でる。
「はいはい、おはよう。朝食持ってきたから、早めに食べてね」
手に下げていたカゴをアリアが受け取ると、中身を口にたくさん頬張り、飲み込んだ。
「…………むぐ、けほっ……けほ」
咽せた様子なので、水を渡すと勢いよく飲み、一息付いたようだ。
「馬鹿、早めに食べてとは言ったけど、さっきのは緩慢に食べないでって意味よ。誤嚥したらどうするの」
「えへへ、ごめん。お婆さんの話を聞くのは楽しいから、もっと聞きたいって思って」
はにかんで笑うアリアを尻目に、私は服を払って立ち上がり、ため息をつく。
「ゆっくり食べたって、聞ける話の数は大して変わらないわよ」
「でも、フィーちゃん。もっとお婆さんと話がしたいから、ご飯を持ってきてくれたんでしょ?」
アリアが私の顔を覗き込み、嬉しそうに笑う。
「……」
私はアリアを無視して、足早に家へ戻っていく。
「待ってよー、フィーちゃん!」
慌てたようにどさどさと音を立てて、私と似た容姿を持つ少女は追いかけてきた。
緑眼、緑髪の少女たちの日常が、いつも通り始まる。
犬派か、猫派か。
どちらも好きだけれど、選べない。
……などと考えた後、作者は自身の名前を思い出す。