Bloody memoir
作者もオサレに物語を書きたいと思って、英語を使い始めた。……そう簡単にカッコイイ言葉は見つからないが。
さて、私の現状を語るには少しばかり話を聞いてもらわなければならない。
私こと、フィーネ・ガーランドは……簡単に言うと前世の記憶がある。……少しばかり。
これだけでも、目の前でいきなりバク転されるぐらいの驚きで、そんなことをする変人がいるのなら見てみたいくらい。……しそうな相手を幾らばかり知ってるのはどう思えば良いだろうか。
とにかく、私は生まれながらにして得た情報は余りに暗く、街灯もない夜空の下で蹲る少女が、そこらに転がっていた一本のマッチを擦って、ほんのばかり夢を見る物語のようなものだ。
誤解させないように、予め書いておくが先程のはあくまで比喩だ。……以前、分かりづらいと言われたのが心に残ってるので一応記しておく。これからも多用するので、どうか理解して欲しい。
前世の知識があるからといって、特別な知識は何も持っていないし、知識を広める腹積りもない。
生まれ変わってから、私の周囲を取り巻く環境は百八十度変わったと言っていいだろう。孤独に嘆いた少女は花々咲き乱れる楽園に迷い込んだ。そこは一時の寂しさも介在する余地なく、私を優しく受け入れてくれる場所だった。父も、母も私たちに惜しみない愛を捧げてくれて、それがいつまでも続くことを願った。
……願いはしたけど、あの甘さはどうにかならないだろうか。優しいを超えて、どんどん甘やかそうとする父に、それを微笑ましそうに見つめて、父を止めない母。
決して小鳥を籠に込めることはしないが、羽ばたくそれに影からついて行こうとする程には過保護だ。
話が少し逸れてしまった。
ガーランド家は由緒正しき血筋を引いている。特に祖霊に近い系譜で、この家の娘は適齢になると、毎年行われる聖女祭りの主役となる。勿論、毎年適齢の娘がいる訳もないので、その時は集落にいる女性から適当に選ぶ。こちらは殆ど行事的なものだから、選ばれた女性が聖女の格好をするだけだ。
この祭りは祖霊に近い系譜のものが聖女を引き受けることが重要なのだ。なぜなら、自然と共生するドルイドにとって、祖霊とは自然であり、私たちに恵みを与えてくれる守護者だから……という建前がある。 ◆
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本当は◆◆◆◆◆◆の生◆として、かの方のいる◆
森◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆なければならない。◆ ◆
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元の苗字を変えたら少しカッコづいた気がする。
しかし、オサレにはまだ遠い。