ベタな展開は通用しない
どんな些細な意見でも思ったことがあればお願いします
ある遺跡の中で1人の勇者が血を流し、地べたへ這いつくばっている
「お前…一体…何…者なん…だ?」
勇者の目の前には"ポンコツ"と書かれた服と半ズボン、それに禍々しい仮面をつけた男が立っている
「さぁ…名前なんか忘れたよ」
そう言うとその何者かはどこかへ消え去った…
――――――――――――――――――
周りでサイレンが鳴りジブの意識が朦朧としていく
つい最近まで何も変わらない日々を送っていた
朝起き、学校へと登下校、帰宅して寝る
ただこんなことを繰り返していたある日
1人で下校中居眠り運転をしていたトラックに20M程吹き飛ばされそこから何も記憶が無い
あらゆることを思い返す
「(あぁ、撮り溜めたアニメ昨日見とけばよかったなぁ)」
「(まさか童帝のまま死ぬなんて…しかも魔法使いにもなれないまま)」
不意に涙が目から溢れ出す
目を瞑る
――――――――――――――――――
目を覚ますと何も見えずただただ真っ暗な空間が広がっている
「なんだここ?」
そう言葉を発してから少しして目の前に光が差し込んでくる
その光に導かれるように歩き出す
視界の中全体に光が映り込むと上からペンと1枚の紙がヒラヒラと落ちてきた
そこには
"お前が一番嫌うものを書け"
「1番嫌いなもの…そう言われてもなぁ」
一つだけ思い当たる節がある
「ベタ展開…かなぁ」
自分は青春スポ根だったりよくある異世界転生の俺TUEEE系ハーレムのアニメのベタな展開を見ていると無性に腹が立つ性格だった
どちらかと言えば自分はダークサイド側を応援するタイプである
「ベタ展開…っと。とはいえ書いたもののどうすれば」
紙にベタ展開と書くと同時にペンと紙は消え
前にひとつの文が表示された
"お前が一番嫌うものに対して戦う覚悟はあるか?"
YES NO
突然の展開に困惑するもの無意識のうちにYESを選択していた
同時に酷いめまいが起き気を失った
―――――――――――――――――――――
目が覚めるとそこはとても現代の地球では見られない光景だった
現代ではもうお目にかかれない外壁をレンガで組みたてた中に街がある
そこに目立つように真ん中にでかい城が置いてある
見渡す限りビル等のでかい建物は見られない
見たことない生物が自分の周りを囲んでいる
ハッキリと目が覚めてから初めて気がついたことがある
視界の左上に"スキル一覧"とある
「なんだこれ。スキルってなんだ?そもそもここは…」
頭の回転が追いつかず1度片っ端から探ってみることにしてみる
まずはスキル一覧を開いた
―スキル一覧―
取得可能数(1/5)
・ベタ展開無効化(Lv?)
・???
・???
・???
・???
「いや取得可能数少な!あとベタ展開無効化って何?いやここはまだ深く掘らなくていいか」
次に探るのは自分の周りを囲んでいる異生物だ
「は、はろー」
コミュ障、極度の人見知りが重なり最後あたり声が消えかかっていた
「…」異生物達は何の反応も示さない
「いや、これも後で考えよう」
あと残る一つは視界を大きくはみ出して見えレンガで出来ている壁が街を囲んでいる
あの街である
ここでようやく頭が冴え出した
「ん?街へどう入るべきだ?」
自分と同じ状況に陥った主人公のアニメ作品を数多く見てきた俺あることに気がついた
「だいたい皆、外から帰る街の冒険者か商人を訪ねてたっけ?」
周りを見渡してみる
もちろん見渡す限り誰も見当たらない
「うーん。目的が"一番嫌うものをに対して戦う覚悟はあるか?"だもんなぁ。」
これはあくまで一個人の偏見だがだいたいは冒険者か貴族の人間に近づけられれば目的は達成出来ると思う
ましてや勇者は2パターンある
・いびり散らす系勇者
・国民を想う勇者
特に後方の勇者に対しては思い切りベタな性格である
「よしこれも後回しだ」
1周して帰ってきた
スキル一覧に関しては増やし方が全く無知である
「うーん。これは目的に近づいていけば増えると予測してみる…よしこれで解決…っと」
次に随分時間が経ったにもかかわらず未だに微動だにしない異生物である
見た目はスライムと言ったところである
恐る恐る異生物に触れてみる
「あはぁーん。気持ちぃー」
感覚としては自分の二の腕の垂れた部分の肉をぷにぷにした時と似た感じである
異生物から手を離すと同時にスライムらしきものは懐いたように自分の頭に重なる
「うーん。ずぅーとこれでもいいかも」
そう和み始めた瞬間"ピロン"と音が鳴る
「うおっ!」
驚くと同時にスライムらしきものはどこかへ逃げていった
少し残念に思いながらも周りをよく見てみるとスキル一覧に赤丸がついてある
―スキル一覧―
取得可能数(2/5)
・ベタ展開無効化(LV?)
・オペレーター(LV1)
・???
・???
・???
「オペレーター?どこぞの転生したら〇だった件のあれか?」
ありがとうございました