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反撃準備

「ガアアアアアアッ!!」


起き上がり地面を蹴り一気に茂みから抜け出た瞬間【咆哮】する。


空気が揺らぎ、発せられる音の響きにマリスたちも気付き俺に剣を向けてくる。


だが、俺は二人に目もくれず、全速力でアリスに接近し避ける間も無く突進する。


撥ね飛ばされたアリスは地面を何度もバウンドした後、川岸で気絶してしまう。


俺はアリスを少し見た後、マリスたちの方を見る。


これでアリスが巻き込まれる事はない。【服従】の効果上命令されたらするかもしれないが、意識を失ってれば命令も聞こえないだろう。


それにしても、【咆哮】使って見たが……あまり効果は無さそうだな。まあ、効果が無くても別に構わないか。吼えるのは気分が高まる。


「ちっ……!ヤングメタルベアーか……!」

「ええ。でも、何度も狩ってきたわ」


そうか。顔も知らない同胞たちを狩ってきたか。なら、張り合えそうだな。


立ち上がりマリスたちに拳を構える。


ステータス画面……スキルを見せろ。基礎能力は不要だから見せなくていい。


==========

=====


アクティブスキル:【強化】【衝撃波】【鷹の目】


パッシブスキル:【剣術】【弓術】【加虐精神】


=====

==========


==========

=====


アクティブスキル:【水属性魔法】【鷹の目】


パッシブスキル:【加虐精神】【殺人者】【魔導】


=====

==========


マリスは兎も角、ミーティアの方は危険だ。絶対にろくでもない効果のスキルが二つもついてる。

だが……進化した俺の能力を試すには丁度良い機会だ。


「オラァ!!」


マリスが一気に近付いて剣を振り下ろす。


それを【硬化】させた左腕で受け止め左手の【硬斬】で逆袈裟で鎧を引き裂く。


「なっ!?」

「ガアッ!!」


驚きながら後ろに下がるマリスに足を進める。


【硬斬】を【硬拳】に切り替え頭を目掛けて振り下ろす。


「【アクアヴェール】!」


だが、水の障壁で防がれた。


驚く間も無く体勢を戻したマリスの剣が腹を裂く。


腹を裂かれた瞬間後ろに飛び距離を取りつつ【硬拳】を解除する。


今のが【水属性魔法】か。なるほど、剛の攻撃を封じるには柔の防御か。突破するのは難しそうだ。一撃必殺で通さないとな。


「大丈夫?」

「ああ。ちっ……今まで狩ってきた中で一番強い」

「グルルルルルル……」


マリスは頬に滲むような汗を伝わらせ、ミーティアはマリスの状態を心配に見る。


俺は低く唸りながらその光景に心の底から怒りを滲ませてしまう。


褒められて光栄だがお前に褒められても何も嬉しくない。


何故アリスにはその優しさを向けれない。

人であったのならこの問いかけをしていただろうな。


「こうなったら本気だ……!【強化】!」


男から白い靄が出てきたところで俺は興味深そうに目を細める。


あれが【強化】か。何を強化するか分からないが、恐らく【硬化】と同じく何でもあり何だろうな。


「【衝撃波】!」

「ガアッ!?」


ニヤニヤと笑いながらマリスは剣を振る。

その瞬間、胸に一筋の切れ目が刻まれ、出血する。


今のが【衝撃波】か。剣を振って出していたし、何か物がないとつかえないのだろうか。


「オラオラオラオラァ!!」


意識が逸れた瞬間男が肉薄。剣を我武者羅に振りまくる。


その全てを俺は冷静に全身で受け止める。


【忍耐】と【収束】の練習にはちょうど良いから受け止めているだけだが……本来なら反撃をしても良い。


見た目は派手だが、マリスが切っているのは表面だけ。内側は【硬化】してるから致命傷にはならない。


この程度の傷も【自然治癒】ですぐに回復する。いくらやっても無駄だ。


これでやっと対等。実力的にはヤングスネークの方が強いかもしれない。


「ガアッ!!」


張り手で反撃するが回避され逆に背中に回り込まれる。


【硬化】を背中に発動させた瞬間切り込まれる。

痛くはないが……だが、背中には脊髄がある。障害が出て狩りに影響が出ても困るし万が一もあるし、避けておくか。


「ガアアッ!」


二回目を身体を横に動かして避ける。


突然避けられ体勢を崩したマリスの背中を拳で軽く小突く。


まあ、熊にとっての小突くだから普通に痛いが……【強化】してるだろうし、普通の人間よりは堅くなってるだろ。


「ガバッ!?」


小突かれ地面に男は叩きつけられる。間髪いれずに二発目を放つ。


だが、流石に二発目は横に転がられて回避される。


「やりやがったな、テメェ!!」


男が怒りながら先程よりも速く我武者羅に振るう。それを腕を楯にして防ぐ。


こいつの実力は大体判断できた。もう用はない。

さてと。

次はミーティアだな。ミーティアはミーティアで魔力を練ってるし、その間はキチンとマリスの相手しておかないとな。


「マリス!」

「おう!」


マリスが下がった。魔法が来るな。


「【アクアジャベリング】!」


ミーティアの杖から放たれた水の投擲槍を全身を【硬化】させ真正面から受け止める。


脇腹に直撃し真後ろに吹き飛ばされながら足を踏ん張る。


「ガホッ!」


後ろへの後退が止まった瞬間、口から血を吐きよろめき倒れそうになる。


だが、それでも足を踏ん張り立った状態を保つ。そして、二人を睨み付ける。


……うん、脇腹に穴が空いた。【硬化】してなかったらより深く穴が空いていただろう。狙いが甘くて助かった。


魔法と言うのは凄まじい威力を持つもんだな。……【硬化】を過信し過ぎたか。


「一気に行くわ!【アクアショット】

【アクアブレード】!【アクアバースト】!」


水の散弾に水の刃、大質量の水の本流を全て受け止める。


ちっ……予想以上に威力が高いな。だが、先程の魔法ほどの威力はないか、傷の方はどんどん治ってる。


一番危険なのは貫通力の高い【アクアジャベリング】だけだな。あれは【硬化】を一点集中させないと無理そうだ。


「マリス!」

「おう、分かった!」


再びマリスが【強化】を纏い近付き、ミーティアは後ろで魔力を練り始める。


それを淡白に見ながら笑う。


これで二人の手は大体見切った。相手の情報も取れ、良い感じにダメージも入ったしそろそろ反撃と行くか。


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