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『農場』襲撃開始

十数日が経過し、俺らは森を抜けて草原を歩く。


のどかな風景で風も心地よい。天気も快晴。旅としては普通に良い環境だ。


「……主人、あれ」

「……オン(……ああ)」


だが、くそったれなあれさえなければ、の話になってしまうが。


小高い丘の上、立ち止まった俺とミストは眼下に広がる鉄の柵と鎧姿の兵士どもに囲われた施設を見下ろす。


施設は綺麗な円の形をしており中心に推定三階建ての建物がありその周りを五つのブロックで囲まれている。一つだけ天井の開いた場所がありその中でエルフや獣人の少女たちが遊んでいる。


あれが『農場』……大規模な奴隷製造のプラントか。目的はエルフと獣人の奴隷の救出……兵士どもの生死はどうでも良い。流石に進んで殺すつもりはない。


それに、今回のためにスキルの再確認、ついでにレベリングも行った。レベリングの内容は……適当なブラックウルフの群れを殺しまくるというお手軽な方法だ。


==========

=====

名称:エリラル 種族:幻想死熊


Lv.七八


攻撃力:三五九


防御力:五四一


素早さ:二四二


魔力:六〇九


通常アクティブスキル:【収束】【放出】【探知・嗅覚】【忍耐】【血液陶酔】【殺戮魔拳】【戦乱狂演】【幻視】【罪禍の虚眼】【虚ろ瞳】【他心通】【五業堕とし】【影体】


魔法アクティブスキル:【硬化】【硬斬】【土属性魔法】【不血魔爪】【吸血魔爪】【幻術】【幻夢の魔霧】【召喚術】【追放術】


通常パッシブスキル:【転生者】【逸脱種】【押し潰し】【ランナー】【剛力】【拳打】【毒耐性】【魔力操作】【自然治癒】【殺戮】【狂戦士】【百頭狩り】【狩人】【悪食】【悪魔種】【悪辣】【非道の獣】【悪魔信仰】【暗視】【精霊刻印】


耐性パッシブスキル:【痛覚耐性】【熱耐性】【火属性耐性】


=====

===========


森の中のブラックウルフ、結構多かったからかなりの数を狩ることができた。ステータスは低いのに経験は多くレベルも上がりやすかった。


普通のステータスの上がり具合が戦い方を制限したからだ。


まず、通常アクティブスキルを全て使用禁止にした。これによって幻によるフェイントや【忍耐】によるカウンター戦法もそうそうできなくなった。


次に魔法アクティブスキルは【不血魔爪】と【吸血魔爪】のみしか使用しない。これによって【土属性魔法】による大規模攻撃が不可能になった。

最後に時間制限。群れあたり制限時間は三分、三分の間に能力制限をした俺がブラックウルフの群れを全滅させなければならない。これによって無理な攻撃を仕掛けたりして駆け引きを磨く。


勿論、最初は上手くいかなかった。だが、少しずつできる事を増やしていき何とかかなりのレベルを上げる事ができた。


そしてこれはレベルが上がってから分かったことだが……レベルを上げるにはかなりの負荷をかけなければならないらしい。そのため、雑魚ばかりを適当に殺してはレベルの上がり具合は低く、逆に強者と命懸けの戦いをしたり能力を制限したりした方がレベルの上がり具合はかなり高い。


レベルが上がった分、何度も死にかけた。ブラックウルフの戦術能力は極めて高くまだヤングメタルベアーだった頃の百頭狩りで追い詰められたことを思い出させた。


「……主人、あれは無茶し過ぎ」

「オオオオオン(分かっている)」


そのせいでミストを心配させてしまった。もうこの手法でのレベリングは止めておこう。少なくとも、ミストの前では。


……それにしても魔力の上がり具合が凄まじいな。【精霊刻印】の影響何だろうが、ここまで凄まじいものだとは嬉しい誤算だ。


『それでは、行くぞ』

「了承」


背中から降りたミストはすぐに魔法を唱え姿を隠し俺は丘からゆっくりと降りていく。


事前に打ち合わせたがミストの役割は救出したエルフや獣人の保護だ。流石に伝達者でもある程度離れた場所でないと移動は難しいだろうからな。

それじゃあ、やりますか!!


「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


丘を【咆哮】しながら勢いよく駆け降りる。兵士どもが身体を怯ませているうちに【硬化】を発動、そのまま複数の兵士を巻き込み壁に体当たりする。


壁は罅が入りダメ出しで魔法で干渉、内部の構成を柔らかくして轟音と共に崩れさせる。


「なっ!?」

「て、敵襲だ!速く応援を――ぶへっ!?」


立ち上がり、怯みから立ち直った近くにいた兵士の一人の顔面を張り手で打ち壁に叩きつける。


ずるずると凭れながら落ちる兵士を流し見しながら剣を突き出してきた兵士の剣の柄を持ち上げる。


「なっ!?」


止め、と拳を突き出すよりも速く背後から兵士が背中に切りかかる。【硬化】で防ぎながら後ろに倒れ兵士を押し潰し後ろに回転する。


起き上がったところを狙った兵士の槍の木の持ち手を爪で折り曲げる。


「えっ!?」


驚く兵士の顔を爪で引き裂き眼球を潰し倒れたところで両足を踏み潰す。


兵士の一人を無力化させたところで火の矢が飛んで来る。土の壁を作り火の矢を防ぎ足を止めたところを狙った兵士の頭を蹴り飛ばす。


後ろに後退したところで地面から杭を打ち出し串刺しにする。


その瞬間飛んできた水の弾丸をバックステップで回避する。


兵士の剣の刺突を持ち手を右肘で落として軌道を変え、左足に力を込めて無理矢理力の流れを変え兵士の頭を右手で押さえて地面に叩きつける。


兵士が気絶したところで飛んできた水の弾丸を【硬拳】を真下に振り下ろして打ち落とし土の壁を押し出して兵士を吹き飛ばす。


盾がなくなったことで弓を持つ兵士が矢を放ってくる。矢の雨を【収束】させた空気を【放出】して薙ぎ全て打ち落とす。


兵士が唖然としている間に『農場』内に侵入し壁を修復して塞ぐ。


さて、これで第一段階完了だな。さて、第二段階といきますか。



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