表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はドMに目覚めない   作者: 幸運を殺す者
9/66

第八話 はじめてのきょうふ

「ナイ!冒険者になるには何が必要だと思うんだァ?」


ロイと別れてからアンガスはそう尋ねてきた。ふむ、これは試験的なことなんだろうか。根性論は好きじゃないんだがな。


「力ですかね?単純な力から精神力、忍耐力もだと思います。」

「いいじゃねぇかァ!そしたらそのチカラはどうやったら発揮出来るゥ?」

「それは「そうだな飯だなァ!」」


食い気味に言うほどのことだったのか。飯だから食い気味にってことか?くだらねぇ・・・


「ミリーナいるかァ!!」

「なぁーにい?」

「飯の時間だァ!俺の分とこいつの分!」

「あいさー、ってかわたしのぶん含まれてなくなぁい?ま、いいけどねぇ。」


呆れている間にアンガスは、ミリーナという女を呼びつけ食事の準備をさせていた。彼女は既に話を聞いて準備していたのか、既にテーブルには何品か並び始めている。


「よォし、食うぞォ!ナイもたんと食えよォ、金はロイから出てるから気にしなくていいぞォ!」

「わかりました。いただきます。」


何気に手回ししていたのかと考えながら、野菜と肉の盛り合わせのようなものに手をつける。

中華・・・?と和食のハイブリッドのような味付けだな。なかなかに美味い。


「ねぇねぇぼくぅ?おいしぃ?」

「はひ・・・おいしいです。」

「えへへぇ、おくちにあったようでよかったよ。」


先程まで恐らく給仕をしていたミリーナから感想を求められたので、飲み込んでから答えた。

顔を綻ばせて喜んでくれたようだ。


「おいミリーナァ!」

「んぅ?」

「この後この小僧、ナイの冒険者登録するぞォ!ミリーナお前相手してやれェ!」

「うん、いいけどだいじょうぶ?あたしで」

「ロイが連れてきたんだ、まあ大丈夫だろォ」

「おっけー!ナイくん、あとでよろ〜。」

「?・・・よろしくお願いします。」


あまり状況が読めないがどうやら彼女が手伝ってくれるらしい。そろそろ食べ終わるし、片付けないとな。


「ご馳走様でした・・・」

「おうよォ!じゃあ入ってきたとことは逆側の扉から外に出て待っててくれェ!ミリーナも俺が行くまで待ってろよォ」

「あっはい、わかりました。」

「あいよ〜。」


一足先に支持された場所に向かう。扉を開けると、整備され開けた運動場のような場所に繋がっていた。

体力テストでもするんだろうかと考えていると、大きめのトランクケースのような物を持ったアンガスと服を着替えたミリーナがやってきた。


「よォしナイ!この中から好きなの選べェ!」

「何をですか?」


そう言って開かれたケースの中を覗くと、短刀や長剣、小盾や胴当て等の様々な武器や防具が入っていた。


「えっとこれは・・・」

「そっからすきなのそうびしてー、あたしとやろうか。」

「冒険者になるからには実力を見ないとなァ!」


どうやら思っていたより激しい運動をしないとらしい。格闘技等の経験がないので、防具は軽めに武器もナイフを選んだ。


「あたしはこれー。」


そう言いながらミリーナは地面と手を水平にしてなにかを唱え始める。


「えっ」

「おいでー!!」


そう言うと、鞘付きの刀が地面から生えて浮かび上がったと思えば彼女の手元に収まった。


「ますたーあいずー」

「えっ」

「互いに構えてェ!始めェ!」

「えっ」


準備もままならぬまま合図がかかり、ミリーナが刀を抜いた。のが見えた。

と思った時には俺の体の右側が軽くなり、あるはずのものがなくなっていた。



ふと空を見上げると、そこに無いはずの俺の腕が赤い液体を噴射しながら軽やかに空を舞っていた。




あぁ、まあ腕って空飛びがちだよな。


「ありゃ?」

「いっでぇぇえええ!!!」

「げェ・・・」


嫌でも痛みが、感覚が、斬られたことを認識してしまう。熱い、血が止まらないのがわかる。このまま放置すれば死ぬ。いや、死にたいんだろ。ならそのままで、いや無理だ。こんな痛み耐えられな・・・


何秒続いたか分からない程の痛みを越えた痛みは、いつしかなりを潜めていた。

代わりに訪れたのは幻肢痛とも思える、骨の折れたような鈍痛だった。


「なんで・・・」


無くなったはずの、そこにあるはずのない腕を求めて左腕が宙を舞う。はずだった。

しかし確かにそこに感覚はあった。

無いはずの感覚がそこにはあった。


「は?」


痛みは既に頭のどこかへ消えていた。目を開く。森の中で試した時と同じように、確かに無くなったはずの右腕が綺麗な形でそこにはあった。

勝手にランキング 様 に登録しております。

目次/各話下部にリンクがあります。

もしよろしければ応援のクリックをお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ