第六十五話 抱える闇
遂に毎日投稿を途切れさせてしまいました。
すみません。一話でも頑張って投稿するように努力します。
見てくださる皆様、ありがとうございます。
頭部を形作る薔薇は、その避けた中心部から粘性の液体を垂れ流している。
視線が交差した気がした。
すると軋む音と共に木で作られたその四肢を動かし、こちらを踏み潰そうとしてくる。
座り込み放心状態のフリークがいるため回避することは出来ない。
「血毒の防皮、白光の巨腕。」
木の枝は防ぎきれたのだ。
あとはその重量だけ。
力を込め右腕を大きくする。
落下するような勢いで踏みつけを行っていたその足の裏は貫かれ、そこから毒が吸い込まれていく。
突如焼かれて灰になったようにして、その片足は腐食しボロボロに崩れ去った。
片足を失いバランスを崩しそうになるが、大量の木の蔓と枝で即席の足を作り出して姿勢を崩すことは無い。
「糸製造、毒製造、ストリング。」
木の蔓の纏まりに対して、毒をより強力にしたうえで糸を絡ませていく。
蔓は見る見るうちに、枝と同じような茶色へと変色していく。
やがてその蔓の根元の薔薇へと到達したのだろう。
ダラダラと零れ落ちていた粘性の液体は収まり、赤黒い毒を吐き出す。
それは全身に毒が回った合図。
まるで両膝をつくようにすると、その衝撃がとどめとなったのだろう。
両足を皮切りにして下から順に木片へと姿を変えていく。
木屑の山の上で薔薇の花びらが舞い、それを最後に動かなくなった。
「何が・・・あった?」
どうやらフリークが目を覚ましたようだ。
花粉に包まれた後の経緯を説明すると、暗い表情になりながらも納得する。
「この薔薇は見ての通り倒したので大丈夫です。」
「パラサイトローズ・・・だな・・・
薔薇に好んで寄生し・・・宿主の根から、地中に入り・・・周りの植物全てに・・・寄生する・・・
俺は・・・花粉により、寄生されて・・・心の中の恐怖を・・・見せられていたんだと思う・・・」
「心の中の恐怖ですか。」
「あぁ・・・俺の両目は・・・この宝石による義眼のため・・・失われたからな・・・」
どうやら話を聞いていくと、冒険者としてより強くなるためと称して王国による実験を受けたらしい。
志願した数人の一人だったらしく、最もリスクの少ない目に宝石を義眼として使う方法での実験だったようだ。
そして彼は適正の高さから両目を奪われたようだ。
中には失敗した者もいるようで、その力に引っ張られてしまい戦う力を失ったりと散々な結果ではあったらしい。
「もちろん今では・・・感謝はしている・・・
この目に助けられたことは・・・非常に多い・・・」
「だから王国の依頼をうけているんですか?」
「これに関しては・・・実験を受けた時の・・・約束でな・・・
王国により・・・与えられた力は・・・王国のために振るう・・・そういった約束だ・・・」
都合のいいように扱われてるんじゃないかと、そんな言葉は流石に口からは出なかった。
重苦しい雰囲気の中フリークが口を開いた。
「今日は・・・遅くなったな・・・」
「帰りますか。」
時間の経つのは意外にも早い。
拠点へと戻り干した魚を食べてから横になる。
そこでは会話は無く、壁で遮られて暖かいはずの拠点も少し肌寒く感じる中眠りに落ちた。





