第五話 騎士との出会い
「これどうすりゃいいんだ・・・」
あれから右肩から下、左手、脚と順番に各四肢を切り離し続けたが持ち主をなくした各部位の山が高くなるだけで死に近づくことは決してなかった。
試してわかったことは4つだ。
・欠損するほどのダメージでもライフは減らない。
・ダメージを負うきっかけとなった部位に応じた筋肉痛のようなものが与えられる。
・筋肉痛のようなものが終わった頃には下半身が丸々切り離されていても再生している。
・切り離された部位はそのまま残る。
「完全に詰んでるぞ・・・」
まとめると死ねないということがわかっただけだ。
とりあえず切り離した四肢の山を倒れた木の裏に隠しておく。あまり見ていて気持ちのいいものでは無いからな。
さて、まだひとつ、試してない部位はある。
頭部だ。
首から先を切り離したならば、あるいは死ねるかもしれない。
固定していた、もう長年連れ添った仲のような信頼を寄せた枝を手に持つ。
両手にしっかりと握りしめ、先端を首にあてがう。
チクッとした痛みとツーと首を伝う液体の感触。
ここから力を入れ首に突き刺し、そのまま左右に振れば8歳のこの体では簡単に頭は地面に転がるだろう。
息を止めて覚悟を決める。
「よし」
勢いをつけ、突き刺そうとしたその時だった。
「待てよ。」
声が聞こえたと思った。気づいたら体の近くを風が通った。持っていた枝が急に軽くなる。
枝先を見ると丸く斬りとられているのがわかる。
何事かとゆっくり顔を上げるとそこには。
一目で騎士とわかるほどの格好をした中年が帯刀した剣に手を当て、こちらを見ていた。
「俺は王国騎士団のロイ・アレクベルクだ。小僧、名はなんだ?ここで何してた?」
ロイと名乗る男は名を名乗りながらこちらに探りを入れてきた。隠しても仕方がない。
こういう時は素直が一番か。
「名はないです。死のうとしていました。」
「そうか、ナイ。王国内での自害は認められていないのは知ってるだろう。悪いが止めさせてもらう。」
なるほど、こいつは馬鹿なのか。
それともこいつの名前のロイと似てるから勘違いしたのか。
「すみません、知りませんでした。」
「知らない・・・?あー小僧、いやナイだったか。お前親に教わってないのか?というか、この時間なら学校に行ってる時間じゃないのか?」
「ナイじゃなくて無いです。名前は付けられてないので。あと親はいません。それと・・・学校には通ってないです。」
いい加減勘違いを訂正することにした。しかしこの世界にも学校はあるのか・・・
顎に手を当て考えていると突如ロイが泣き出した。
「うぉおお・・・おめえ、そうか・・・うんうん。わかるぞ。よしおじちゃんとこい」
ロイは手を取り共に歩き出す。齢8歳では抵抗することは出来ないと悟り、大人しくついて行くことになった。
しかし、この中年騎士のせいで頭を落としたらどうなるかわからなかった。
後で試すことにしよう・・・
そんなことを考えてるうちに、こちらの手を握っていない片方の手だけでいとも簡単にロイは魔物を倒していき気づくと森を抜けていた。
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