第二話 少女との邂逅
ちょっと長いです・・・
それは、きっと笑っていた。
そうだと理解してしまった。
そして白ではない、しかし黒ではない。
様々な色の混ざった、でも虹色じゃない色をしてナニカは優しく微笑んでいた。
やがてそのナニカにも見慣れてきたとき、気づくとナニカは少女だった。
「お前は・・・何だ?」
絞り出すように出した言葉はそんな逃げの一手だった。
「んぅ・・・あっはぁやっと私を見てくれたね・・・」
少女はさっきまでと全く同じ声で恍惚そうな笑みを浮かべながらこちらの質問を無視した。
「あぁ・・・そういうこと・・・この状況はなんだ?」
起きる前の問答を思い出しながら、そして言い知れぬ恐怖を覚えながらそれに耐えて質問をする。
「うん、うん!よく覚えてたねぇ、偉いよ。教えてあげる。君は選ばれ・・・いや素直に教えようか。ちょうどよかったんだよ君という存在が。」
「どういうことだ・・・わかるように言ってくれ、お前のように俺は心が読める訳じゃないんだ」
「あっはは!ごめんね!君は死のうとしてた訳じゃないみたいだけど、正直死にたかったでしょお?」
「あぁ、まあそうだな。そのために様々な手を尽くした」
「でも死ねなかった、だよねぇ?そういう負のエネルギーってのはね、私みたいなのにとっては美味しいご飯なんだ。それでね。人間ってのは死の瞬間負のエネルギーが高まるの。」
「お前はうまい飯食うために、死なせてくれたってことか?」
「うーん違うかなぁ・・・少し君の気を逸らしただけだよ・・・結果的に君は死んだけどぉ。そこでね、殺しちゃったお詫びというか、その代わりにね。新しい世界で生まれ変わらせてあげようかなってお話」
少女は幼さとは全くかけはなれたイヤらしい笑みを浮かべながらそんな意味不明な提案をする。
「はぁ?ふざけてるのか、そんなことは望んじゃいない。死にたかった奴がいる、お前は死なせたかった奴がいる、それで終わり、はいさよならでいいだろ。生まれ変わったらまた生きなきゃいけないだろうが」
怒りに支配される感覚がする。こいつはまた生きさせようとしているのか、許せない。この横暴を許してはならない。
「うん・・・そこが誤算だったんだよねぇ・・・普通生まれ変わるのって喜ぶんだよぉ。異世界転生ってやつぅ?とかいってさ、でも君は違った。」
「あぁ、そうだそんなヤツらと同じにするな早く俺をもう一度死なせてくれ。」
「ごめんねぇ、それはできないかなぁ。もう君がここにいる時点で私と君の間で契約はなされてるんだなぁ。私は契約に従って君を転生させないといけないのぉ」
契約だと?一方的に話を進めてよく言う。
「今すぐに取り消せ」
「それはねぇ、私が消えちゃうから無理なのぉ。はい諦めて、生まれ変わってから死ぬ分には自由だから。この話おしまーい」
こいつが話にならない相手だということは分かる。怒りもまだ収まらない。しかし一方的に話を終わらせてこられたのではどうにもならない。
これもまた仕方がないのか。諦めるのは得意だからな・・・そうだな。うん。
「わかった、早くしろ」
「助かるわぁ、ありがとねぇ。」
瞬間、薄暗い霧が立ち込める。呼吸をする度に、なんだか意識が遠のく感覚がする。
「あ!そのままで聞いてね。スキルを1つだけ死にやすくなるようにプレゼントしてあげる。あー何がいいだろこれでいいか。」
声が出ない。聞こえてくる声も途切れ途切れにしか聞こえない。
しかし最後にはっきりと少女が言った言葉だけは聞き取れた。
「これ違くない?」
再び意識は失われた。
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